ホルモン耐性前立腺癌における細胞周期制御因子によるアンドロゲン受容体転写調節機構
Project/Area Number |
12770874
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋本 良博 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (40244561)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 前立腺癌 / 細胞周期制御因子 / ステロイド受容体転写共役活性化因子 / アンドロゲン受容体 / ステロイド受容体転写共役因子 / サイクリン |
Research Abstract |
細胞周期制御因子は細胞増殖を制御する重要な因子であり前立腺癌のホルモン耐性にも関与している可能性がある。同じホルモン依存性癌である乳癌の予後、悪性度等に細胞周期制御因子が関与するという報告をもとにしてアンドロゲン受容体と細胞周期制御因子との関係を解析した。 アンドロゲン受容体の転写活性化にはサイクリンが主に関与しており、サイクリンEはin vitroでアンドロゲン受容体の転写活性をアンドロゲン依存性に約8倍上昇させ、抗アンドロゲン剤の投与により活性は約2倍まで抑制された(J. Cell Biol. 150(4),873-880,2000)。前立腺癌のホルモン耐性を獲得する実験モデルを作成するために、アンドロゲン依存性前立腺癌細胞株LNCaPをアンドロゲン非存在下(チャコール処理した血清を10%含有する培養液)で約1年間継代培養することを試み、アンドロゲン非依存下でも増殖する前立腺癌細胞株LNCaP-HRを樹立することに成功した。これらの細胞株間で細胞増殖力を比較したところ、LNCaP-HRはLNCaPの1.25倍の増殖能を示した。また、これらの細胞間で細胞周期制御因子をmRNA、蛋白レベルで調べたが、発現量に差は認められなかった。次に同じホルモン依存性癌である乳癌で約60%、卵巣癌で約40%の発現率を示し、これらの癌の再発や予後などに関連があると報告がされている、ステロイド受容体転写共役活性化因子(SRC)に注目し、これらの因子の前立腺癌のホルモン耐性機構および増殖におよぼす影響を検討した。LNCaP、LNCaP-HR細胞株を用い、発現を比較した結果、SRCがLNCaP-HRでLNCaPの約20倍発現していた(投稿中)。SRCはステロイド受容体を介した転写をホルモン依存性に活性化することは知られているが、以上の予備実験結果から、我々はSRCの発現量が高くなると前立腺癌の悪性度も高くなり癌細胞増殖能を高め、ホルモン耐性能、転移能を獲得し、アンドロゲン非存在下でも増殖が可能になると考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)