発生起源の異なる雄後部尿道近位・遠位部における自律神経受容体の差異
Project/Area Number |
12770879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
一柳 暢孝 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90296244)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 尿道平滑筋 / NO(Nitric Oxide) / ムスカリン受容体 |
Research Abstract |
雄の後部尿道において、近位部分と遠位部分のムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)刺激に対する反応差について検討した。後部尿道を近位と遠位部分に分けて得た細胞膜分画に対して、[3H]-QNBによる飽和結合実験を行った。さらにmAChRの各受容体亜型(M1-M3)に特異的な拮抗薬を用いて[3H]-QNBの結合に対する阻害実験を行った。Scatchardらの方法により求めた[3H]-QNBの結合の解離定数(KD)、最大結合部位(Bmax)は近位、遠位部分間で有意差さを認めなかった。[3H]-QNB結合に対する各受容体亜型に特異的な拮抗薬による結合阻害作用の強さは、近位・遠位部分ともに、4-DAMP(M1/M3 拮抗薬)>pirenzepine(M1 拮抗薬)>AFDX-116(M2 拮抗薬)の順であった。これらの結果から本実験での雄ウサギ後部尿道のcarbacholに対する部位別反応差はmAChRの分布密度や各受容体亜型の分布の相違ではなく、尿道のNO産生系の部位別差異が存在するのではないかと想定された。 また、雄ウサギにalloxanを投与して作成した糖尿病モデルを用いて、糖尿病に伴う膀胱機能障害におけるセロトニンの関与について検討した。Alloxan投与後16週目に摘出した膀胱から平滑筋条を切り出し、等尺性収縮実験によりセロトニンに対する反応を検討した。糖尿病群、対照群いずれの膀胱平滑筋でも、セロトニンの添加により濃度依存的な収縮が認められたが、糖尿病群において有意に大きかった。また、経壁電気刺激に対する収縮反応は糖尿病群で有意に低下していたものの、セロトニン添加により有意に大きな増強反応を認めた。これらの結果は糖尿病に伴う膀胱機能障害において、mAChの減少およびセロトニン受容体の増加を示唆するものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)