卵巣癌におけるリソフォスファチジン酸の診断的意義と治療標的への応用に関する研究
Project/Area Number |
12770909
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古井 辰郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (00313883)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | リソフォスファチジン酸(LPA) / 増殖因子 / 抗アポトーシス(生存因子) / PI-3kinase / MPA kinase |
Research Abstract |
卵巣癌等に対する強力な増殖因子であるリソフォスファチジン酸は、同時に細胞に対する生存(抗アポトーシス)因子である可能性が示唆してきた。そこで維芽細胞株を用い無血清状態で誘導されたアポトーシスをLPAがこれを用量依存性に抑制することを示した。同時にこの抗アポトーシス効果とLPAによる増殖効果が共に百日咳毒素(PTX)によって強力に抑制されることを示しG蛋白共有受容体を介する反応である可能性を示した。具体的には、アポトーシスの定量には、[^3H]Thymidineによって標識した細胞から抽出した断片化したDNAの放射活性を測定した(DNA fragmentation assay)。増殖活性の測定は、[^3H]Thymidineの取り込みにより測定した。これらの実験系で、PTXがDNA fragmentationとDNA合成において、LPAの作用をほぼ完全に抑制した。 この抗アポトーシス効果はAKTの燐酸化による活性化によるPI3Kを介することを、ウエスタンブロッティングとDNA fragmentation assayを用い、PI3K inhibitorであるLY294002を添加する事によって示した。さらに同様の実験系を用い、この抗アポトーシス作用には、LPAの細胞増殖効果に必要なMAPK/ERKのリン酸化による亢進も必要で、この経路にはPI3Kが関与していないことも同時に示した。更に、卵巣癌の増殖抑制因子の可能性を指摘されているGnRHaがLPAの分解を亢進する事を示し、GnRHaの抗腫瘍効果がLPAの効果を抑制する事によるものである可能性を指摘するとともに、卵巣癌において形質膜上の2型PTPase(phosphotyrosine phosphatase)がLPA分解の主要な役割を担う事を突き止めた。また、免疫組織学的手法によりGnRHaがPTPaseを細胞質から膜上に移動させる可能性を示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)