Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
(目的)我々がこれまで報告してきた簡易的眼球運動画像解析法は、二次元(水平、垂直)しか自動解析できなかった。三次元(水平、垂直、回旋)解析および回転軸解析も可能であったが画像1コマずつ用手的に操作する必要があり実用的とは言えなかった。そこで今回、三次元および回転軸についても自動解析できる新たなプログラムを考案した。(原理)水平および垂直成分は、従来と同様に瞳孔中心座標から求めた。回旋成分は、次のようにして求めた。1)虹彩紋理を含めた任意の楕円形の画像を1コマ(30分の1秒)ずつ作成する。2)前のコマの画像を0.1度ずつ回転して次のコマの画像と重ね合わせ、前後で一致しない領域の面積を求める。3)一致しない面積が最小となる角度を回旋角度とする。回転軸は、三次元解析の結果から前後のコマで座標変換が成立する一点を計算して求めた。(考察)今回考案した方法により三次元および回転軸についても自動解析が可能となった。解析に必要な時間は320×240ピクセルの画像で約1.4コマ/秒(10秒間の眼球運動の解析に約4分必要)であり、二次元解析(約15コマ/秒)と比較するとかなりの時間を必要とするが、途中の操作は不要であり、実用に耐ええるものになったと考えた。