音響障害における内耳グルタミン酸毒性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12770973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
白馬 伸洋 愛媛大学, 医学部, 助手 (70304623)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 音響外傷性難聴 / グルタミン酸神経毒性 / ノックアウトマウス / GLAST / 蝸電活動電位 / 有毛細胞 / グルタミン酸拮抗剤 / アポトーシス / グルタミン酸トランスポーター / 騒音性難聴 / 内有毛細胞 / 微小透析法 / 聴性脳幹反応 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
音響外傷性難聴では巨大音の曝露や持続的騒音により、難聴は不可逆的となることが知られている。1994年、Pujolらが音響外傷性難聴をおこした動物における蝸牛の形態変化が、蝸牛に直接グルタミン酸を投与した場合と類似することを報告して以来、蝸牛の求心性神経伝達物質であるグルタミン酸による興奮性神経毒性(Exciteneurotoxity)の、音響外傷性難聴への関与が注目されている。しかし実際に音響暴露時に過剰のグルタミン酸が蝸牛内に放出され、それが神経毒性に作用しているかについては現在まで全く研究されていない。今回、遺伝子操作技術によるグルタミン酸トランスポーター欠損マウスを用いることにより、巨大音暴露後のノックアウトマウスの蝸牛外リンパ中におけるグルタミン酸動態を測定し、生理的、形態的変化を詳細に観察することにより、騒音性難聴の機序を明らかにした。 申請者はH12年度、GLASTノックアウトマウスに混合ガスにより全身麻酔を施した後、8000Hz、120dBの音響負荷を60分間行い音響負荷後、急性期における蝸電活動電位測定装置を用いた聴力の変化、微小透析法を用いた蝸牛外リンパ液中のグルタミン酸濃度の測定、また電子顕微鏡を用いた蝸牛形態的変化の観察を行った結果、騒音性難聴におけるGLASTのグルタミン酸神経毒性の抑制効果について明らかにした。さらにH13年度は、毎日60分間の8000Hz、120dBの音響負荷を7〜14日間連続で行い、長期間の音響負荷による有毛細胞の変化についての研究を行った。有毛細胞の脱落数については蝸牛骨胞を摘出し、4%パラホルムアルデヒドによる蝸牛環流固定後、サーフェス・プレパレーションにて各回転のコルチ器を採取した後にロダミンパロイジンにて聴毛を染色し、ヘキスト33342にて核の二重染色を行い、蛍光顕微鏡にて脱落細胞のカウントを行う。ヘキスト33342による核の染色により、核のアポトーシス様の形態変化を起こした細胞の割合を算出し、長期音響負荷による有毛細胞障害の詳細な観察を行った。また、この時音響負荷前にグルタミン酸拮抗剤である6-7-dinitroquinoxalinc-2,3-dione (DNQX)の蝸牛内注入を行い、グルタミン酸拮抗剤による長期音響負荷による有毛細胞障害抑制効果の観察の結果、グルタミン酸拮抗剤による音響障害抑制効果も確認された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)