嗅覚の客観的検査法の確立と嗅覚障害の病態に関する臨床的研究
Project/Area Number |
12770982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 広子 名古屋市大, 医学部, 助手 (30295604)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 嗅覚障害 / T&T法 / MPEA法 |
Research Abstract |
日本で従来施行されている嗅覚検査法には基準臭嗅覚検査(T&T法)と静脈性嗅覚検査があるが、いずれも客観性に乏しい。米国で施行されているPhenyl ethyl alcohol single staircase odor detection threshold test(PEA法)は客観性・再現性の高い検査法であるが、煩雑である。そこで申請者らはT&T法の閾値判定にPEA法の原理を応用する新しい嗅覚検査法(MPEA法)を考案し、嗅覚正常者及び障害者に施行してその有用性を検討した。 20才から60才までの嗅覚正常者86名(男性48名、女性38名)と嗅覚障害者54名(男性18名、女性36名)に対して、MPEA法とT&T法及び嗅覚アンケートを施行した。また55名の嗅覚正常者(男性34名、女性21名)に対して、T&T法とMPEA法を一定期間をおいて2回施行し、再現性についても検討した。 嗅覚正常者と嗅覚障害者のMPEA法の平均値はそれぞれ-1.8と2.9で両者の間に有意差を認めた(t検定,p<0.01)。同様に嗅覚正常者と嗅覚障害者のT&T法の平均値は検知閾値が-1.3と1.5、認知閾値は-0.1と3.1で、それぞれ有意差を認めた(t検定,p<0.01)。 Spearmanの順位相関を用いてMPEA法とT&T法の検知閾値・検知閾値との相関を求めたところ相関係数はそれぞれ0.796、0.836であった。同様にMPEA法と嗅覚アンケートとの相関計数は0.763であった。MPEA法とT&T法の検知閾値・検知閾値の再現性についてSpearmanの順位相関を用いて検討したところ、MPEA法は0.871、T&T法の検知閾値・検知閾値はそれぞれ0.733、0.441であった。 以上の結果より、MPEA法は嗅覚障害の程度判定に役立つ上に、従来用いていたT&T法や、嗅覚アンケートとよく相関し、またT&T法よりも高い再現性が得られ、有用な検査法であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)