Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
前年度に歯牙喪失を伴わない高齢者と青年と比較することにより,歯牙が残存していても口腔期の嚥下能力低下向時に咽頭期も低下していることも示した。今年度は歯牙の喪失により嚥下動態のどの部分が一番影響を受けるかを明確にすることを目的として前年度同様な条件で無歯顎者男性5人について比較した。 結果は定性分析においては無歯顎者(義歯を使用しない場合)で分割嚥下が4人,未熟嚥下0人,嚥下後の造影剤の喉頭蓋谷や梨状陥凹への残留4人で認め,歯牙喪失を伴わない高齢者と比較において,未熟嚥下において優位な差を認めた。その他の定性分析や時間分析項目においては差はなかったが,嚥下開始時の咬合高経においては,無歯顎者が低かった。また義歯使用の有無により定性分析や時間分析項目において優位な差はなかった。しかしながら,1症例においてのみ義歯使用により咽頭部のクリアランスが著明に改善した。しかしながらこの理由については不明である。 以上により歯牙の喪失により咬合高経が低くなり異常嚥下である未熟嚥下に対して効果を示す可能性が示唆された。 一方,未熟嚥下が改善することは舌口蓋閉鎖の改善に関係すると考え,有病者について舌口蓋閉鎖について調査した。意識障害を持つ高齢者(平均85才)で経口摂食を行っているが,誤嚥性肺炎が疑われVF検査を施行した31人ついて予後(6ヶ月以内の死亡)との関係を調査した。全ての臨床所見より経管栄養が必要と判断した者の内,経管栄養に変更可能群と変更不可能群との予後の差はなかったが,舌口蓋閉鎖の有無と予後の関連はあった。したがって嚥下障害を持つ患者の予後を予測する因子に舌口蓋閉鎖の有無が重要な要素を占める可能性を示唆された。
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