アルカリフォスファテース遺伝子導入によるう蝕原性細菌の人為的石灰化法の開発
Project/Area Number |
12771145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大原 直子 長崎大学, 歯学部, 助手 (80301365)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アルカリフォスファテース / 細菌 / う蝕 / 石灰化 |
Research Abstract |
本研究では、う蝕原性細菌の人為的石灰化現象を利用した微小領域における非切削・非修復的な初期治療の完成を目的として、細菌にアルカリフォスファテース遺伝子(phoA遺伝子)を導入しその酵素活性を上昇させ、人為的石灰化の誘導が可能であることをまず大腸菌にて証明した。石灰化物は、FTIR、電顕、電子回折パターンにてハイドロキシアパタイトであることを確認した。しかし、一部に石灰化のおよぱない細菌が存在することが明らかになり、振盪培養から静置培養へさらに固形培地上での培養を試みた。固形培地では、結晶の成長では有利だが、基質の供給率が減るためか細菌全体にわたる石灰化を生じさせることは困難であった。 う蝕原性細菌として、乳酸菌(Lactococcus lactis、Lactobacillus casei)、Streptococcus mutantsを用い、上記の組み換え大腸菌にて発現精製したアルカリフォスファテースを加えることにより、石灰化を確認した。従ってこれらの菌でもアルカリフォスファテース酵素活性の上昇にて石灰化能の亢進が可能であることが証明された。大腸菌と違い、う蝕原性細菌の酸産生能は強く、石灰化環境のPHコントロールが重要であることのデータを得た。また、う蝕原性細菌ではアルカリフォスファテース活性が低く配列に関する報告もないので、他の菌種間で保存されている領域のアミノ酸配列をもとに、染色体から遺伝子のクローニングを行ない、可能性の高い断片を得た。さらに発現ベクターを構築上、強力なプロモーターの検索が必要となるため、大腸菌のphoA遺伝子をレポーター遺伝子としてその発現量をマーカーにスクリーニングを進行中である。 以上、本研究では、遺伝子操作によるアルカリフォスファテース活性上昇による細菌の人為的石灰化が可能であり、う蝕原性細菌への応用へ向けて様々な基礎的データを得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)