高強度・高耐食性アモルファス合金の歯科応用に関する研究
Project/Area Number |
12771184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
横山 賢一 徳島大学, 歯学部, 助手 (80308262)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アモルファス合金 / 強度 / 耐食性 / 歯科・生体材料 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、直径0.100mmと0.125mmのCo_<46>-Fe_<23>-Cr_<10>-Si_8-B_<12>アモルファス合金線を試料とした。アモルファス合金の耐食性に及ぼす結晶化の影響を調べるために、真空中200〜600℃で熱処理した試料についても検討した。結晶化温度は示差熱分析とX線回折によって求め、0.100mm、0.125mmの試料結晶化温度はそれぞれ550℃、590℃と測定された。また、0.100mmの試料では650℃付近にセカンドピークが現われた。耐食性を評価するために電気化学腐食測定装置を用いて37℃の0.9mass% NaCl水溶液中において(参照電極はAg/AgCl)-1000mVから0.17mV/secの速度で電位を走査し分極抵抗を求めた。分極特性測定用試料は長さ70mmで7本を直径8mmのガラス管に差し込み、レジンで固定した。試料浸漬部分の表面積は100mm^2に設定した。また、比較材として一般的な生体用金属材料のSUS316Lを用いた。アモルファス合金線の孔食電位は+950mVでありSUS316Lの+650mVより高い値を示した。37℃、0.9mass% NaCl溶液に21日間浸漬しCo、Fe、Crイオンの溶出量を原子吸光法にて測定した。溶出したイオンの多くはCoイオンであった。熱処理をした試料は熱処理前と比べて約15倍の溶出量であった。また、熱処理した試料ではFe、Crイオンの溶出も検出された。以上これらの結果から、Co_<46>-Fe_<23>-Cr_<10>-Si_8-B_<12>アモルファス合金線はSUS316Lより不動態皮膜を形成するCr量は少ないが、非常に耐食性が優れていることが示された。しかしながら、熱処理により結晶化した試料については特に耐食性が優れるとは言えなかった。この点に関してはさらなる検討が必要と思われる。前年度に報告した優れた強度特性と合わせて考えると、アモルファス合金は熱処理の制限はあるものの高強度かつ高耐食性を有する歯列矯正用線として利用できると結論できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)