分化制御遺伝子PPARγを標的とした唾液腺癌の分化誘導療法
Project/Area Number |
12771223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Ehime University (2001) The University of Tokushima (2000) |
Principal Investigator |
中城 公一 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (90314880)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 唾液腺癌 / PPARγ / 分化誘導療法 / Troglitazone / Pioglitazone / p27^<Klp1> / Skp2 |
Research Abstract |
唾液腺癌は放射線療法や化学療法に抵抗性で周囲組織への浸潤能が強く、手術後局所再発、遠隔転移が極めて多い悪性度の高い腫瘍の範疇に属する。このように従来の治療法に抵抗性を示す瞳瘍に対して、近年分化誘導療法などの新しい治療法の開発が試みられている。Peroxisome proliferator-activated receptor γ、(PPARγ)はリガンド依存性転写因子であり、脂肪細胞分化のマスター遺伝子であることが明らかにされている。近年、PPARγリガンドが種々の腫瘍細胞に対して抗腫瘍活性を有していることが明らかになってきた。そこで、本研究においては唾液腺癌におけるγの発現様式とそのリガンドの抗腫瘍効果につき検討した。手術材料より得られた唾液腺癌組織を用いてPPARγ遺伝子の発現をRT-PCR法を用いて検索した。唾液腺癌組織においてPPARγ遺伝子の発現が認められた。ヒト唾液腺癌組織において発現しているPPARγの機能を解析するために、ヒト唾液腺癌細胞株を用いてin vitroの系にて実験を行った。まず最初に、ヒト唾液腺癌細胞株におけるPPARγ mRNAおよび蛋白質の発現とリガンド依存性のPPARγの転写活性化能の検索を行った。実験に使用した全てのヒト唾液腺癌細胞株においてPPARγの発現が認められたが、リガンドにより誘導されるPPARγの転写活性化能は合成リガンドtroglitazone (TRO)、pioglitazone(PIO)処理では認められるもめの、天然型リガンド15-deoxy-Δ^<12,14>-prostaglandin J_2では検出されなかった。そこで、以後の実験においてはPPARγリガンドとして合成リガンドであるTROとPIOを使用した。次に、合成リガンドの細胞増殖抑制能の検索を行ったところ、濃度依存的に全てのヒト唾液腺癌細胞の増殖を著明に抑制した。また、癌細胞へのPPARγ遺伝子の導入により細胞増殖抑制効果が認められ、PPARγ合成リガンドによりその効果は増強された。さらに、この細胞増殖抑制効果はSkp2の発現抑制によりp27^<Kip1>が蓄積するこ'とにより発揮される可能性が示唆された。以上の結果より、PPARγおよびその合成リガンドがヒト唾液腺癌細胞に対して増殖抑制活性を保有していることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)