Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
Ca^<2+>チャンネルブロッカーであるニフェジピンは,広く降圧剤として使用されているが口腔内の副作用として線維性の歯肉増殖症が知られている。我々は,ラットを用いたニフェジピン誘発性歯肉増殖症モデルを用いて,肉眼的歯肉増殖が認められる以前に歯肉線維芽細胞によるコラーゲンファゴサイトーシスの抑制により歯肉増殖症が発症する可能性を報告した(Kataoka et al.,J Periodontol 2001;72:1078-1083)。線維芽細胞膜上ではI型コラーゲンの主要な受容体としてα2β1インテグリンが存在し,その結合においてはα2インテグリンが主に働くことが知られている。そこでニフェジピン誘発性歯肉増殖症の発症におけるα2インテグリンの役割を明らかにするため,ラットモデルから系時的に歯肉由来線維芽細胞を分離培養し,細胞膜上で発現するα2インテグリンについてmRNA,蛋白レベルでの発現についてRT-PCR法及びFITC標識抗α2インテグリン抗体を用いてFACScanにて対照群と比較検討した。mRNA及び蛋白レベル双方ともコラーゲンファゴサイトーシスと相関して,肉眼的歯肉増殖が認められる以前から発現抑制が認められ,系時的に歯肉増殖が増加するに従いその抑制程度は減少した。また,蛍光抗体を用いた蛍光顕微鏡の観察でも,肉眼的歯肉増殖の確認される以前の歯肉由来線維芽細胞でのフォーカルコンタクトの形成に,減少傾向が認められた。以上のことから,ニフェジピン誘発性歯肉増殖症の発症機構として考えられる線維芽細胞のコラーゲンファゴサイトーシスの抑制は,細胞膜上で発現するα2インテグリンのmRNA及び蛋白レベルでの発現抑制を介する,I型コラーゲンの細胞への結合阻害により発症する可能性が示唆された。
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