Project/Area Number |
12771352
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 孝義 阪大, 産業科学研究所, 助手 (80272483)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イオン性流体 / 光学活性 / 無溶媒 / 環境 |
Research Abstract |
省資源かつ環境調和型の反応プロセスの開発を目差し、無溶媒反応を指向した光学活性イオン性流体の開発研究を行った。本年度は、光学活性な低分子量のイオン性流体を得る目的から、スピロ骨格を有する分子をデザインし、合成に着手した。スピロ骨格を有する分子の合成と機能解明に関しては、スピロ型ビスイソキサゾリン化合物の合成と光学活性体の入手、さらには不斉配位子として用いることによる触媒的不斉Wacker型反応の開発に成功している(Arai,M.A.; Kuraishi,M.; Arai,T.; Sasai,H.J.Am.Chem.Soc.2001,inpress)。目的とするイオン性流体にはイオン性を示す部位としてイミダゾリウム塩を選択し、光学活性な構造を構築する炭素骨格には、大量に合成可能で光学分割も容易なスピロジケトンを用いることとした。スピロジケトンの官能基化を検討したところ、水酸基を立体選択的にカルボニルのα位に導入できる事を見いだした。さらに、ヒドロキシケトンを経由するイミダゾール環の形成反応を検討し、ルイス酸存在下ヒドロキシケトンに対しホルムアミドを作用させたところ、スピロ骨格を有するイミダゾールが生成することがわかった。今後は、合成手法の効率化とイミダゾール環上へのアルキル基の導入によりイオン性流体として優れた特性を有する分子へと最適化を行う予定である。 一方、イオン性流体の性質を示す分子として、ピリジン部を有する化合物の合成研究も開始した。マロネートを出発原料とし、ジアルキル化反応により容易に2分子のピリジン部を有する分子を合成した。これらの研究で得られた分子は、イオン性流体としてのみならず、触媒的不斉合成反応における光学活性配位子としても利用可能なことから、これらの可能性も併せて検討していく予定である。
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