モデルペプチドを用いたアポリポタンパク質脂質膜結合機構に関する研究
Project/Area Number |
12771387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
斎藤 博幸 国立医薬品食品衛生研究所, 大阪支所・薬品試験部, 研究員 (60300919)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アポA-I / アポE / ペプチド / コレステロール / 蛍光異方性 / 励起エネルギー移動 / 超高感度熱量測定 / アポリポタンパク質A-I / NMR / エマルション / リボソーム |
Research Abstract |
前年度に引き続き、アポA-I及びアポEペプチドの脂質膜結合の分子論について、超遠心分離法、蛍光分光法、NMR測定、超高感度熱量測定などを併用して検討した。アポA-Iペプチドの脂質膜結合様式について、トリプトファン蛍光異方性測定による運動性の評価並びに励起エネルギー移動法による結合部位の同定を行った。 その結果、アポA-Iペプチドの両親媒性α-ヘリックスは、膜中心位から約1nmの距離に結合し運動性が束縛された状態にあるが、膜中にコレステロールが存在すると、さらに約1nm水相側に押し出され、運動性が高い状態で結合することが明らかとなった。つまり、細胞膜中のコレステロール含量の増加によって、アポA-Iの膜結合様式がより可逆的で水相への細胞脂質の引き抜きに有利な結合へと変化すると考えられ、アポA-Iの細胞膜コレステロール搬出機構に重要な示唆を与えた。 さらにアポEペプチド(2.8-kDa)についても検討を進めた。まず、リポタンパク質様脂質粒子に対する結合性を大腸菌発現系で作製したアポE脂質結合ドメイン(10-kDa)と比較したところ、結合親和性、結合量とも同程度の値が得られ、ペプチドがアポEの脂質膜結合様式を反映していることが確認された。次に、超高感度熱量測定を用いてアポEペプチドと脂質膜との相互作用を検討したところ、膜中のコレステロールは結合パラメータに影響を与えず、アポA-Iペプチドとは対照的な結果となった。今後、大腸菌発現系で作製したアポEを用いて、脂質結合のメカニズムをさらに検討していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)