Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
加熱食品中の発癌物質生成のモデル反応において、メイラード反応で生成するピラチンカチオンラジカル(Pyr^+・)と炭素ラジカル(R・)が発癌物質生成における中間体であると私の今までの研究結果から予想される。本研究では、これらのフリーラジカルを消去する物質の検索と、発癌物質生成を抑える物質の検索を行ない、2種のラジカルの発癌物質生成における関与を明らかにし、発癌物質生成を抑える食品成分を見い出すことを目的とした。平成12年度の研究により,2種のラジカルのうちPyr^+・が発癌物質の生成に関与すること,チオール性化合物、レダクトン、不飽和脂肪酸などがPyr^+・を効率良く消去し,メイラード反応由来のレダクトン(DMHF、HEMF)はPyr^+・の生成を増強することを明らかにした。平成13年度はPyr^+・を消去する食品成分が発ガン物質の生成を抑えることができるか否かにつて検討を行なった。 1.モデル反応系における検討 グルコース/グリシン/クレアチニンからなるモデル反応を用い、発癌物質生成に対する抑制作用を調べたところ,Pyr^+・消去作用の認められたBHA,セサモール,EGCG,システインに抑制効果が認められたものの,食品中の濃度に比較してはるかに高濃度でのみ効果が認められた。アスコルビン酸とエリソルビン酸は食品として実用的な濃度で効果が認められ,実際の食品に有効であると示唆された。Pyr^+・増強作用のあったDMHFとHEMFは発癌物質生成抑制作用を示さなかった。 2.ハンバーガーにおける検討 挽肉を焼いた際の発癌物質生成に対する効果を検討した。その結果食品として添加し得る濃度(0.33%)ではアスコルビン酸とエリソルビン酸のみが発癌物質生成を抑制した。 以上の検討により,アスコルビン酸とエリソルビン酸が実際の食品において発癌物質の生成を抑える有効な成分であることが明らかになった。
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