着床前遺伝子診断を受ける夫婦(カップル)の意思決定を支える看護についての研究
Project/Area Number |
12771481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎・地域看護学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平塚 志保 北海道大学, 医療技術短期大学部, 講師 (10238371)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 着床前遺伝子診断 / 倫理 / 着床前胚 / 遺伝医療 / 意思決定 / 生殖医療 / 出生前診断 / バイオエシックス / 自己決定 / 看護 |
Research Abstract |
本研究において、以下を明らかにした。 (1)着床前遺伝子診断に関しては、各国の社会・倫理的背景を中心として、優生学的問題、遺伝情報管理の問題、知る権利・知らされない権利の問題等がある。(2)遺伝情報の血縁者への告知に関してWHO及びHUGOは、遺伝情報は血縁者に共通していることから血縁者には知る権利があることを明示しているが、日本のガイドラインでは、本人の同意を必要とする。日本における遺伝という現象の知識、認識の不足が予測される。(3)発症前診断や保因者診断をめぐる意思決定については、頻度の高い遺伝性疾患に対する保因者スクリーニングを受けた一般の人や、発病の危険を抱えた人々を中心にした調査が、欧米を中心に実施されている。発症前診断を受けたいという人、または実際に受ける人の数が予想に比べて少ない。(4)日本の着床前遺伝子診断に対するイメージ構造と意思決定、態度変化と意思決定に関する調査では、遺伝子治療、診断に対する態度は全体的に肯定的であったが、知識が不十分であり、情報の有無が態度を慎重な方向に向ける傾向がある。(5)日本においては、胚生命を如何に捉え、如何に扱うかの議論が不十分なままに、生殖医療の範疇で問題が論議されている。しかし、この問題は遺伝医療と胚生命の道徳的地位の両側面から論議されるべきである。(6)健康な子どもを得たいという夫婦(カップル)の願望が社会的に是認され得るかについてのコンセンサスを得る手続きが必要である。(7)日本の現状においてはカウンセリングの制度が不十分である。 以上より、日本において着床前遺伝子診断を容認し、夫婦(カップル)の意思決定を支えていく上で必要なことは、生殖医療を含めて、胚生命の道徳的議論を徹底させること、遺伝及び生殖医療に関する正しい知識を一般に普及すること、診療情報としての遺伝情報の特殊性を明確にし、その取り扱いを明確にするとともに医療の中でカウンセリング体制を整備すること、当診断法を必要とする夫婦(カップル)の現状を明らかにすることである。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)