Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
本研究は、地域の精神障害者への家庭訪問における保健婦と福祉職の連携および専門性を明らかにすることを目的に行っている。昨年度は家庭訪問場面への参加観察と保健婦、福祉職に対するインタビューを行ったが、それを基に今年度はアンケート用紙を作成し、全国調査に踏み切った。対象は保健所に勤める精神保健福祉担当の保健婦とした。全国821箇所すべての保健所に郵送し、現在回収中である。調査内容は、対象者の性別・年齢・保健婦としての勤務年数・精神保健福祉担当の年数・持っている資格などの基礎データ、各保健所で実施している精神保健福祉事業と携わっているスタッフ、家庭訪間への保健婦の参加度、福祉職をはじめとする他職種との連携のパターン、保健婦自身が感じている保健婦の専門性、他職種との連携のあり方などとした。この調査の目的は、保健所の保健婦がどのように精神保健福祉事業に携わっているかという実態を明らかにすることと、専門性や役割をどのように考えているかを知ることにある。今回の仮説としては、精神保健福祉事業に多く携わっている保健婦ほど自分の役割や専門性を確立したものと感じており、あまり携わっていない保健婦ほど他職種と役割が重なっていると感じているのではないか、ということである。精神保健福祉事業は平成14年度から徐々に市町村に移管されることとなっており、この調査内容を関連学会あるいは学会誌で発表することにより、保健所で培われてきた技術やシステムを市町村に伝える一助が果たせると考える。自由記載として「市町村に伝えたいこと」も併せて聞いており、これも別にまとめたいと考えている。