Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究ではクローズドスキルスポーツを対象とし,身体的影響を排してアーチファクト因を回避し,実際のスポーツ行動における生理的変化を測定し,心理的要因を精神生理学的に分析することに成功した.これらには,現役トップアスリートを被験者とした実験も含まれ,希少価値の高質データが検討された. 基礎的研究から,スキルの向上には(1)射撃リズムの確立,(2)呼吸と撃発のリズム,(3)心拍の減少(すなわち,R-R intervalの延長),(4)心拡張期での撃発,(5)心拡張期の延長が有効であるという知見を得た. スポーツ科学領域においてバイオフィードバック技法を用いた応用研究の多くが、心理的ストレス制御を取り扱っている中で,本研究では生理的ストレス制御を採用し,静的運動時に自律神経系指標の内的感覚に応答を求め,運動学習に活かす試みがなされた.これらの臨床実践は対象を大学生熟練者から初心者に広げ,習熟早期段階でのバイオフィードバックの適用という,競技実践に新たなスキル向上技法を提唱した.撃発時点の心拍減少,および,撃発時の心電図R波の回避やR-R intervalの延長を習得目的とした心電図バイオフィードバック訓練を実施した結果,呼吸とR-R intervalとの対応関係を容易に学習させ,呼吸ストラテジが獲得され,最終的に運動学習に伴う呼吸位相と運動タイミングの同期を早期に確立させた.また,R-R interval延長が可能となったことで,心拍動を避けた撃発や心拡張期での撃発の可能性が高められ,バイオフィードバック法によりスキルの早期向上の一助となることが示唆された.さらには,スキルの向上には,適切指標の最適状態を探求する重要性や,自律神経系指標に「気づき」を向け,内的感覚として会得する大切さが論じられた.本研究課題の一連の研究結果は学位論文にまとめられ,早稲田大学より博士学位(人間科学)が授与された.
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