陸上短距離・長距離選手における高強度運動時酸素摂取動態とその成因に関する研究
Project/Area Number |
12780029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 裕美 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (60206844)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 酸素摂取量緩成分 / 高強度自転車運動 / 陸上競技選手 / 筋線維組成 / 等速性絶対筋力 / 血中乳酸 / 血中カテコラミン / 血中アンモニア / 等速性筋力 / スプリンター / 高強度運動 |
Research Abstract |
高強度運動時に観察される酸素摂取量緩成分(VO2SC)の発現機序として、タイプI線維に比べ効率の低いタイプII線維が付加的に動員されるためとする仮説がある。平成12年度の成果から、ダイナモメータを用いて測定した等速性筋力とVO2SCの間には、高速での筋収縮時においてのみ、相関関係が認められた。先行研究において、タイプII線維占有率は、高速での等速性筋力と相関することが報告されていることから、本研究の結果は、前述の仮説を支持するものと推察された。平成13年度は、この結果を追試すること、タイプII線維占有率とより強い関係が指摘されている絶対筋力とVO2SCとの関係、および高強度運動時にタイプII線維において特異的に生成する血中アンモニア濃度とVO2SCの関係を検討することを目的とした。 被験者は、陸上競技短距離選手4人、および長距離選手4人とし、各個人のLTとVO2maxの差の50%に相当する強度での自転車運動を6分間継続して行なわせた。運動中は換気ガスパラメータを連続的に測定した。また運動終了1分後に静脈血を採取し、血中の乳酸濃度、カテコラミン濃度、およびアンモニア濃度の分析にあてた。VO2SCは運動開始3分目と6分目のVO2の差として評価した。膝関節の伸展筋力は等尺性収縮、および5つの角速度での等速性収縮時に測定した。また、大腿中央部のCT画像より伸筋群の横断面積を計測し、筋力を除することによって単位横断面積当たりの筋力(絶対筋力)を算出した。 VO2SCは、VO2max、血中乳酸濃度、および血中カテコラミン濃度とは相関しなかった。一方、VO2SCは等尺性筋力とは相関しなかったが、等速性筋力とはいずれの角速度においても相関関係を示した。また、角速度が270deg/sec以上の成績を除いて、前年度の結果と同様に、収縮速度が高くなるに従い、より高い相関係数を示した(90deg/sec : r=0.87,150deg/sec : r=0.92,210deg/sec : r=0.98,270deg/sec : r=0.90,330deg/sec : r=0.75)。一方、VO2SCと絶対筋力との関係は、210deg/secにおいてのみ認められた(r=0.72)。また、VO2SCと運動後のアンモニア濃度との間に相関関係は認められなかった。以上の結果は、部分的に仮説を支持するものであったが、相反する結果も含まれるものであった。VO2SCの発現機序については、さらに検討を要するものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)