Project/Area Number |
12780165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese language education
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 直子 東京大学, 留学生センター, 助教授 (30251490)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 文法 / 複文 / 日本語教育 / 待遇 |
Research Abstract |
本年度は以下の二点を行なった。第一は、昨年度に引き続き、話し言葉を中心に、コーパスを充実させたことである。今年度は市販の対談集を主にテキスト化する作業を行なった。第二に、この新たな資料含むこれまでのコーパスを基に、次に述べる著作・論文を発表した。 本年度の研究成果をまとめたものは次の通りである。第一は、『日本語文法セルフマスターシリーズ7 条件表現』(共著)が5月に刊行されたことである(詳細は昨年度の実績報告書に記したので、本年度は省略する)。第二に、論文「否定的状態への変化を表す動詞変化構文について-ないようにする・なくする・ないようになる・なくなる-」を執筆した。これは、日本語教育における初級文法項目の一つである変化構文「〜するようにする・なる」の否定形がどのような形式であるかを、実証的に論じたものである。動詞変化構文は「ように」を用いることからもわかるように、複文(中でも目的節)と大きく関係がある。この動詞変化構文は、否定形として、論文副題に示した4つの形式が可能であるが、日本語教科書・参考書・概説書では、これらの扱いにおいて統一的な見解が見られていない。この問題を指摘し解決するため、本論文では、本奨励研究でも使用されたコーパスを用いて分析した。その結果、4形式が全て可能であること、しかし、使用頻度には大きな差があること、頻度の低い形式が用いられるのは特定の場合であることが明らかになった。第三に、『日本語文法演習待遇表現』(共著)を執筆した。これは上級の日本語学習者に対する文法のテキストであり、当巻は敬語などの待遇表現を体系的に習得させることを目的としている。待遇表現は言うまでもなく話し言葉において多用され、高度な日本語能力が求められる重要な項目である。本奨励研究は複文を対象としたものだが、待遇表現には許可「〜してもいいでしょうか」、勧め「してはどうでしょうか」といった複文形式が基となった複合助動詞形式が多く見られ、本奨励研究のデータと研究成果を十分に生かすことができた。教育機関での実際の試用を経て改稿を加え、刊行予定は来年度である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)