Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
本年度においては,前年度までの成果を踏まえて研究を推進することで,生体テクスチャ認識システムにおける牛鼻紋照合部の認識性能を大幅に改善することができ,その結果,かなり実用的な鼻紋認識システムを実現することができた。具体的には,(1)認識アルゴリズムの性能改善,(2)対応プラットフォームの拡大,の二つに特に主眼を置いて研究開発を進めた。 まず(1)については,鼻紋パターンのもつ領域情報(特に,閉路情報)に着目し,横型探索を主体としたグラフマッチングにハフ変換的な探索開始閉路対決定処理と未探索閉路領域の統合処理を取り入れて処理の効率化を図った鼻紋認識アルゴリズムを新たに開発した。更に,この手法と,前年度までに開発済みの「枝の先読み」処理を取り入れた縦型探索主体のアルゴリズムを融合させた形の新しい鼻紋認識アルゴリズムも開発した。これらの手法は,従来手法だけでは対処が困難であった成長変形の激しい鼻紋対に対しても適用が可能であり,認識のロバスト性も格段に向上している。現在,畜産業界では牛の鼻紋による個体識別作業が人手で行われているが,本研究で開発したシステムはその自動化のための手助けになり得るものと確信している。 そして(2)については,昨年度までにPC-UNIX上で開発済みであった統合認識システムを,cygwin(http://www.cygwin.com/)をベースとしたGUIシステムとしてMicrosoft Windows上で実現させた。なお,Windows上での利用が可能となったことで利用者層が大幅に拡がると考えられるので,本システムは鼻紋入力から認識処理までの一連の処理を,専門家でなくとも手軽に実行できるように配慮した形で構築されている。 今後は,今回達成できなかった実験データ(鼻紋データ)のデータベース化や他の生体テクスチャ(鯨のヒレの斑紋など)への応用等にも取り組み,本システムの一層の実利用化を図っていきたいと考えている。
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