Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
津波防災を考える上で,過去の津波の発生・来襲状況を知ることは極めて重要である.特に,その規模は被害想定にとって必要不可欠な情報となる.しかし,津波は地震や高潮などに比べると発生頻度が低いため,解明されていない部分が多い.現在の観測体制が整備される以前の古い津波を歴史津波と呼ぶが,歴史津波に関する情報は古文書などに頼っているのが現状であり,その様な情報さえ残っていない場合も多い.この様な資料の得にくい歴史津波の解析を行なうための手法として,最近有力視されているのが津波堆積物である.津波堆積物とは,津波の遡上により陸へ運ばれ堆積した海底の土砂で,津波のエネルギーや来襲状況と高い相関関係にある.しかし,発見された津波堆積物は,歴史津波の存在を示すのみに留まっており,定量的な評価はほとんど行われていない.これは津波外力と堆積物形成の関係が十分には分かっていないためである.よって,本研究では津波堆積物形成のメカニズムを解明することを目的とした.まず既存の実験データより,掃流形態で運搬される土砂量と浮遊形態で運搬される土砂量を独立に評価し,それぞれの堆積物形成への働きを明らかにした.次に,津波を想定した外力を発生させ,陸域への海砂の堆積過程を再現する水理実験を実施した.水理実験では規模の異なる連続した孤立波を複数入射させ,陸域での津波堆積物の分布を測定した.これにより入射波と津波堆積物の関係を明らかにした.また,提案している移動床モデルを1994年フローレス島地震津波に適用し,実際の津波堆積物の性質を調べた.
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