磁気浮上超伝導リングの高温超伝導バルク材を用いた空間位置制御法に関する研究
Project/Area Number |
12780368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear fusion studies
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 磁気浮上 / 高温超伝導線材 / 高温超伝導バルク材 / 浮上制御 / 核融合プラズマ / レーザー変位計 / ダイポール磁場 / フィードバック制御 / 核融合 / プラズマ閉じ込め |
Research Abstract |
本研究は、ダイポール磁場方式の先進的核融合プラズマ閉じ込め装置に用いられる超伝導磁気浮上コイルについて安定な浮上制御を行うことを目的としている。昨年度、高温超伝導線材を用いて直径8cmの超小型コイルを製作し、レーザ変位計とフィードバック制御回路を用いて実際に磁気浮上実験に成功した。今年度は、制御特性の向上を試みるために、以下の2つを試みた。まずは、吊り上げコイルの他に補助コイルを用いて傾き(ティルティング)不安定性に対する浮上制御を試み、静止状態におけるコイルの傾きがうまく制御できることを確めた。ただし、動的な不安定性に対する浮上制御は難しく、これは今後の課題となっている。次に、高温超伝導バルク体を浮上コイルに装着して浮上特性の変化を調べる実験に着手した。最初にバルク体をコイルに取り付けて冷却および励磁試験を行い、発生する磁場に変化があるかどうかを調べた結果、バルク体なしの場合と比べると誘起される磁場の減衰が若干緩やかとなりバルク体に磁束がトラップされていることが確認できた。一方、磁気浮上実験については、吊り上げコイルに必要とされる電流値が少し小さくなり浮上力が増している効果は認められたが、動的な安定性に関してはあまり顕著な効果が認められなかった。これは、今回用いたバルク体が浮上コイルに対して小さいために、あまり大きな浮上力を得られなかったことが原因であると考える。そこで、今後も同様の実験を継続する計画であり、さらに大きなバルク体をうまくコイルに取り付けること、および、その場合にコイルの発生する本来の磁場分布をあまり大きく変えないように配置の工夫を行うことが要求される。なお、これらの制御実験を行っている最中に、超伝導コイルが制御回路の動作なしの無制御状態でも磁気浮上可能であることを見いだした。従来、無制御の磁気浮上は存在しない(「Earnshowの定理」)というのが常識とされてきており、これは他にもいくつかあるこの定理の仮定外の現象と言える。詳細については現在解析中であるが、超伝導コイルの磁束保存が関与しているものと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)