Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
新潟県内の環境水の動態や汚染実態,水系分布などに関する知見を得るため,県内の降水や代表的な河川水(・地下水)について,酸素,水素の安定同位体比(δD,δ^<18>O)およびトリチウム(T)や主要イオン(Na^+,K^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>,Cl^-,NO_3^-,SO_4^<2->,HCO_3^-)濃度の測定を定期的に行った。さらに今年度は,測定対象を海水(や海藻)にも拡張し,汚染実態や元素挙動の把握のため,新潟県の各海岸で採取した試料について,主として希土類元素(REEs)の定量を行った。その結果,(1)降水の酸素同位体比(δ^<18>O)は,平均-9‰程度であり,季節によって±7‰程度変動する。(2)冬期(11月〜2月)および梅雨期(6月〜7月)における水蒸気団の移動経路は,他の季節に対して比較的一様であると考えられる。(3)冬期の降水においては,内陸効果および温度効果に起因すると考えられる同位体分別が顕著に認められる。(4)新潟市の降水においてのT濃度は,0〜2Bq/lであったが,今年度も春季から夏季にかけてT濃度が大きくなる傾向が見られる。(5)新潟市では,春期において大陸からの物質移動の影響が大きくなる。(6)河川水のδ^<18>Oの平均値は-11〜-10‰で,降水のδ^<18>Oに比べて年間を通して大きな変動は見られないが,春期(4月〜6月)には雪解け水,冬期(10月〜2月)には降水の流入によると考えられる影響が認められる。(7)海水や海藻試料中の希土類元素濃度および希土類元素パターンは,採取場所によっても大きな変動が見られる。(8)海藻中の希土類元素濃度は,海水中の濃度の10^3〜10^5倍程度である。などの知見が得られた。 また,Tが環境(や生態系)に及ほす影響を評価するための基礎実験として,官能基を持った機能性物質とトリチウム水との間でおこる同位体交換反応の研究を,特にトリチウム水の解離の面に着目して引き続き行った。
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