構造生物学に基づいたミトコンドリア標的化シグナル認識の分子メカニズム
Project/Area Number |
12780455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北田 栄 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (20284482)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ミトコンドリア / プロセシング / プロテアーゼ / シグナル配列 / 分子認識 / 結晶構造解析 / 構造解析 / シゲナル配列 / 構造生物学 |
Research Abstract |
ミトコンドリアヘの輸送のための標的化シグナルは、ミトコンドリア内部でミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ(MPP)によって切断除去され、タンパク質は前駆体から成熟体へと変換される。今年度、立体構造を基盤とし、以下の項目を解析し、この分子認識メカニズムの解明を試みた。 (1)MPPの立体構造は? (2)MPPのシグナル認識に重要な構造要素は? (3)結合状態でのシグナル配列やMPPの構造は? (1)に関して、X-線結晶構造解析によって酵母MPPの立体構造を約2.5Åの分解能で決定した結果、α、βサブユニット間に大きな溝と分子内空洞が観察された。静電ポテンシャル計算によって分子内空洞は負電荷を帯びていると考えられ、塩基性の標的化シグナルを静電的な相互作用によって分子内空へと誘引している可能性が高い。(2)、(3)については、2種類のシグナルペプチド配列をもとにした合成ペプチドと活性部位に変異を導入した不活性型MPPを用いMPP-基質複合体のX-線結晶構造解析を行った。2種類のシグナルペプチドとも延びたβ構造状態で主に分子内空洞のβサブユニット側に水素結合で固定されていた。基質ペプチドの切断に重要な2位のArg、+1位の疎水性アミノ酸に対する結合部位が、それぞれβサブユニットの酸性アミノ酸残基とPhe残基からなることが観察された。MPPβサブユニットに対する部位特異的変異と各種基質タンパク質に対する切断解析から、生化学的にも-2位Arg結合部位としての酸性アミノ酸残基の重要性を明らかにした。尚、X-線結晶構造解析はアメリカ合衆国テキサス大学との共同研究である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)