アサガオ花弁の青色化に関わるpurple遺伝子と花弁液胞内pH調節
Project/Area Number |
12780460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Okayama University (2001) Okazaki National Research Institutes (2000) |
Principal Investigator |
稲垣 善茂 岡山大学, 農学部, 助教授 (50280764)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アサガオ / Pr遺伝子 / Na^+ / H^+ exchanger / アントシアニン色素 / 液胞 / pH / H^+exchanger |
Research Abstract |
液胞は貯蔵・空間充填・隔離/解毒・分解など植物が行う生命活動における重要な機能を司っている。植物二次代謝産物であるアントシアニン色素の蓄積器官としての液胞の機能と役割を総合的に理解することが今研究課題の目的である。すでに、花の色を紫色から青色に変換させるPr(Purple)遺伝子の本体が液胞型のNa+/H+ exchanger遺伝子であること、そして液胞型Na+/H+ exchangerが破壊されている酵母のNHX1変異株での相補実験によりPr遺伝子が液胞型Na+/H+ exchanger機能をもつことを明らかにしている。今研究課題においては、昨年度、1)この遺伝子産物が花弁液胞内のH+濃度をコントロールすることにより液胞内pHを高く維持し、アントシアニン色素を青色に保っていること、2)さらにこのPr遺伝子の転写産物の発現パターンは開花12時間程度前に一過的かつ急激に多量のmRNAを発現していること、3)そしてPr遺伝子と他のアントシアニン色素生合成経路の構造遺伝子群の発現パターンを比較したところ、Pr遺伝子は今まで明らかになっているそれらアントシアニン色素構造遺伝子群とは明らかに違った制御を受けていることを報告した。これらの結果からPr遺伝子のような開花時花弁細胞でのイオン動力学に関与する未知遺伝子群の存在が示唆された。そこで本年度では、このPr遺伝子のように開花時花弁細胞でのイオン動力学に関与するような未知遺伝子群の存在を検討するためにアラビドプシスの開花時、花器官での継時的な遺伝子発現をとらえようと考え、開花ステージを3段階(ステージ1:開花前、2:開花中、3:完全開花)に分けて、それぞれのステージにおける遺伝子発現解析をマイクロアレイにより試みた。その結果、それぞれのステージでの遺伝子発現にはそれほど大きな違いは見られず、最大でも5.7倍、多くの遺伝子は2〜3倍程度の差しかなかった。実際には、それら発現に2倍以上もしくは1/2以下の変化が見られた遺伝子は43個あり、その多くは細胞壁合成に関する遺伝子群であった。また、開花時花弁細胞でのイオン動力学に関与すると考えられる遺伝子ではカルモジュリンなど5個が見つかっている。今後は、このデータを元に開花時花弁細胞でのイオン動力学に関与する遺伝子群の発現制御と遺伝子機能についてアラビドプシス変異体などをスクリーニングし、分子遺伝学的な解析を試みて行きたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)