酵母cohesinの生物機能の新側面-姉妹染色分体間組換えとDNA修復への関与
Project/Area Number |
12780505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
館林 和夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50272498)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分裂酵母 / cohesin / 染色体分配 / DNA修復 / 姉妹染色分体 / 相同組換え / rad21^+ / RanGTPase / 分裂期から間期への移行 / poly(A)^+RNA代謝 / mog1^+ |
Research Abstract |
cohesinはDNA複製で生じた姉妹染色分体をつなぎ止めるのに働くタンパク質複合体で、未熟な染色体分配を防ぐとともに、そのつなぎとめがM期中期から後期に移る際に解除されることで染色体分配の時期を厳密に制御している。分裂酵母のcohesinをコードするrad21^+遺伝子は、染色体分配に加えてγ線照射などによって生じたDNA損傷の修復にも関与していることから、cohesinが姉妹染色体をつなぎ止めることで、姉妹染色分体の相同組換え並びに二重鎖切断修復に関与する可能性を検討した。最初に、N末あるいはC末を欠失した2つの変異leul遺伝子で栄養要求マーカーをはさんだコンストラクトを染色体に組み込んだ株を作成し、姉妹染色分体間の相同組換えを検出する系を構築した。これを用いて野生株およびrad21変異株において姉妹染色分体間の相同組換えを定量したが、両者の間に顕著な差は認められなかった。現在、UV、γ線照射時における組換え頻度への影響を検討中である。 cohesinの機能に関わる他因子を探索する目的で、rad21変異株の特徴的な表現型(放射線感受性、HU感受性ならびに染色体分配異常)を示す温度感受性変異株を2種類単離し、解析を行った。このうち変異株199は上記の表現型に加えて、NaやKに対する感受性も示した。この変異株の温度感受性を抑制する多コピー抑圧遺伝子を単離したところ、クロマチン・リモデリング因子の出芽酵母ARP9相同遺伝子であることがわかった。したがって変異株199の原因遺伝子が、クロマチンのリモデリングを介して染色体分配、DNA修復をはじめとする様々な細胞機能に関わっていることが示唆され、大変興味深い。今後原因遺伝子の解析を通じて、クロマチンのリモデリングと染色体分配、DNA修復などの様々な細胞機能との関連とその分子機構を解明していくことが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)