サイレントシナプスの画像化法を用いた神経可塑性に関する研究
Project/Area Number |
12780593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
小泉 修一 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部・第一室, 主任研究官 (10280752)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | サイレントシナプス / イメージング / FM1-43 / 海馬 / グリア / 単一神経終末 / 可塑性 |
Research Abstract |
本研究課題は、シナプス形成部位である神経終末(前シナプス)及びspine(後シナプス)の機能を同時に画像化することにより、"シナプス伝達・可塑的変化"機序の解明、及びシナプスの可塑性を"見る"新しい評価法を確立することを目的としている。本年は、ラット海馬初代培養神経細胞を用いて、神経終末のシナプス小胞をFM1-43で標識し、単一シナプスの開口放出過程をリアルタイムで観察する手法及び、後シナプスの応答を共焦点レーザー顕微鏡でCa^<2+>シグナルとして解析する方法を確立し、シナプス伝達をリアルタイムで"見る"手法を確立した。本実験手技を用いて、神経及び周辺アストログリア細胞由来のATPが、海馬の興奮性シナプス伝達を抑制すること、この抑制機序は前シナプスからの伝達物質放出抑制に起因していること、内在性ATPによるこれらシナプス伝達変化が長期的な可塑的変化と関連している可能性を明らかとした。今回取得したイメージング技術は、種々の細胞及び組織に応用することが可能で、実際、後根神経節細胞、各種グリア細胞、PC12細胞を用いた実験系で、神経伝達物質・サイトカインの分泌応答、神経伝達の可塑的変化を観察する事が可能となった。シナプス可塑性に関する新しい知見として、神経特異的蛋白質、neuronal calcium sensor-1 (NCS-1)が、細胞内のphosphatidylinositide(PI)の代謝回転を制御している重要な酵素phosphatidylinositol 4-kinase(P14K)を活性化すること、これによりP14K移行のPI代謝回転が亢進し、Ca^<2+>放出能が増大することにより、Ca^<2+>依存性の神経伝達物質放出を増強させることを見出した。これは、PI代謝制御による神経伝達物質放出調節機構という全く新しいシナプス伝達制御システムである、NCS-1の発現量増加が長期増強現象と相関していることから、NCS-1を介するシナプス可塑性調節機構の存在が新しく示唆された。神経伝達物質放出及びその応答を、高い空間・時間分解能で"見る"の開発により、シナプス伝達及びシナプス可塑性の新しい制御様式が明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Publications] S.Koizumi, P.Rosa, G.B.willars, R.A.J.Challiss, E.Taverna, M.Francolini, M.D.Bootman, P.Lipp, K.Inoue, J.Roder, A.Jeromin: "Mechanisms underlying the neuronal calcium sensor-1-evoked enhancement of exocytosis in PC 12 cells"J. Biol. Chem.. (印刷中). (2002)
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