非言語コミュニケーションの脳内機序 言語機能とその左右差の進化の理解をめざして
Project/Area Number |
12780597
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 克樹 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (70243110)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | fMRI / 表情 / ジェスチャー / 右下全頭葉 / 非言語コミュニケーション / 非言語 / コミュニケーション / 左右差 / 脳 / 前頭葉 / 辺縁系 |
Research Abstract |
身振りや表情や声の抑揚を用いることで、私たちは感情や情動のやりとりをおこなうことができる。本研究では、こうした非言語コミュニケーションの生物学的・神経科学的理解を目指した。特に、fMRI(機能的核磁気共鳴装置)を用いて、非言語コミュニケーションに用いられる信号の理解に関わる脳領域を同定する研究を実施した。 右利きの健常成人を被験者として、以下の2つの課題条件で脳活動を計測した。 表情課題:被験者は次々に呈示される動画の表情をもとに、その人の情動的状態が「良い」か「悪い」か評価する。対照課題は、男女弁別を用いた。 ジェスチャー課題:被験者は動画のジェスチャーをもとに、その人の情動的状態が「良い」か「悪い」か評価する。対照課題は、男女弁別を用いた。 脳活動のベースラインとして、休止状態(被験者は特別な認知課題を行わず安静にしている)の脳活動を用いた。 表情課題遂行時において、ベースラインと対照課題のいずれと比較しても、中側頭回に存在するhuman MTが両側性に活動上昇を示した。それに加えて、右下前頭葉にも活動上昇が認められた。ジェスチャー課題においても、ほぼ同じ結果が得られた。human MTは動きの分析に関与する領域であることが知られている。動画刺激を用いているため、その動きの分析を反映した活動であると解釈される。また、右下前頭葉が損傷すると、ジェスチャーや表情の表出や理解ができなくなるという報告がある。本実験の結果は、これらの臨床例とよくあうもので、右下前頭葉が表情やジェスチャーの理解に共通して機能していることを示唆するものである。 この結果は、本年開催される第8回Human Brain Mapping学会(仙台)および第31回Annual Meeting of Society for Neuroscience学会で発表する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)