Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
近赤外光を用いた無侵襲血中酸素飽和度計測法(オキシメトリ)として,透過光を用いたパルスオキシメトリ(動脈血酸素飽和度(Sa02)計測法)は,既に幅広く利用されており,さらに反射光を用いた方法は,額・胸部といった様々な部位への適用が可能であることから臨床上さらなる活用が期待されている. ここでは,パルスオキシメトリの測定精度を高めるために複数の受光部(アレイセンサ)を用いたパルスオキシメータの試作開発を行った.センサを開発する過程において,測定精度・測定誤差の予想が可能となる光拡散理論・モンテカルロ法を用い,センサの送・受光間隔や,測定波長,組織内血液の容積変化などを取り入れたモデルを作成し,センサのデザイン(CAD : Computer Aided Design)を行った. 結果として,アレイセンサ方式の一つである空間分解分光法を試みたが,従来式の単一の受光部を用いた方法と比較して大幅な改善は得られなかったため今後も複数検出部の特性を生かし,光強度変調法との併用など,様々な計測法の検討を行う予定である.しかしながら,光電容積信号の基線変動分を使用することにより新たな指標として静脈血酸素飽和度(Sv02)の可能性が実験的・理論的に示された.従来,光を用いた組織オキシメータには,生理学的根拠の不明確なSt02といった指標が使われてきたが,ここで提案するSv02は,生理学的に明確な値であり,さらにSa02とSv02を用いることにより組織の酸素代謝量に関連する指標を導出ことが可能となった. また,適応信号処理の方法として,700-1600nmにおいてケモメトリツクスの適用を行った.この方法は統計学的手法による解析法のため,実験データが膨大になるが,場合によっては光拡散理論の結果を大幅に超える高精度な結果を得ることも確認した.
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