萩市立図書館所蔵「秘録」の研究と萩郷土博物館未整理文書仮目録の作成
Project/Area Number |
12871050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国文学
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
渡辺 憲司 立教大学, 文学部, 教授 (00123761)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 萩藩 / 秘録 / 薩摩藩 / 近世初期文芸 / 萩図書館 / 天津図書館 / 萩郷土博物館 / 鹿児島大学玉里文庫 / 福岡藩 / 杵築藩 / 仮名草子 / 裁判記録 / 玉里文庫 |
Research Abstract |
本研究でもっとも重点をおいたことは、萩郷土博物館所蔵文書類の整理を行ないながら、元禄年間までの「秘録」(萩図書館所蔵)類を翻刻・基礎的注釈作業を行ない、その文学史における位置付けを行うことである。文書類の整理と仮目録の作成から着手し、幕末までの主要資料のデジタル写真化を行ない、幕末までの「秘録」類の概説を行なう準備は、翻刻作業を中心に終えることができたが、目録化作業では、仮目録に至るまでの作業で、分類等に至るまでの完全なものは行い得なかった。01年には、薩摩藩にも同様の資料が存在することの教示を受けたので、鹿児島で調査を行ったが、今年度は新たに中国の図書館に類似の資料があるとの情報を得たので、夏休みに本補助金の大半を旅費に当て、この研究調査に、天津市立図書館の日本学研究センターを訪れた。調査は当初予想されていたより困難なものとなり、デジタルカメラでの撮影や、コピーの許可が得られずに終わった。しかし、同図書館には日本植民地時代に集められた日本古典籍が未整理のままに放置されていることを確認しえた。その一部には、本研究とも重なりうる漂流資料(主に山陰海岸よりのもの。須佐・益田関連)があり、本研究の今後の展開には有意義な調査であった。萌芽研究の目的は果たしえたと考えている。 本研究の大きな収穫は、「秘録」同様の類似資料が、各地に残存していることが判明したことである。文学資料と歴史資料の狭間をいかなる形で埋めていくかが今後の大きな課題となった。特に、萩市立図書館や鹿児島大学図書館玉里文庫・中国の天津市立図書館日本学センターに残存する近世記録には、巷の噂話や漂流記を収集したものもあり、従来版本を中心に研究が進められてきた近世初期文芸研究にも大きな意味を持つものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)