中国・台湾における三島由紀夫文学の受容-翻訳・紹介・批評・研究事情・文献資料収集・調査・比較研究-
Project/Area Number |
12871064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
テレングト 艾特 北海学園大学, 人文学部, 助教授 (10316234)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 中国と台湾 / 翻訳出版量 / 世界最大受容地域 / 研究事情 / 三島由紀夫事典 / 海外における三島由紀夫 / 勉誠出版 |
Research Abstract |
かつて、五〇年間日本の台湾占拠の歴史は、台湾の本省文学に根本的な影響を与えたのが言うまでもないことだが、その歴史の延長線に戦後の台湾における日本文学の受容が大陸より比較的素直かつ迅速に行われたのも事実である。従って今回、三島由紀夫文学の翻訳・出版・批評・研究などについて調査を行ったが、原作品訳版の量と質、いずれからみても大陸を凌ぐ勢いで進められてきたことが改めて確認された。具体的に三島由紀夫文学受容事情についての詳細は筆者論文(「中国と台湾における三島由紀夫文学の受容」、松元徹氏ら編『三島由紀夫事典』勉誠出版二〇〇〇年十一月PP.673-679)に掲載したが、今回の調査を通してその事情が改めて実証された。とくに民主化が進むにつれて日本文学・文化ないし商業文化は今までよりも大量に吸収されている。それは大陸経済発展の圧力が激しさを増してきただけに、過去50年間の歴史と戦後高度成長を成し遂げた日本への郷愁及び期待が増していると言える。一方、IT産業と応用が台湾では短期間に進んだ結果、台北において古本屋は消え、その代わりにテクストのデジタル・画像化が進み、日本文学についての古文献ばかりか、三島由紀夫についての古い資料さえ散逸されつつある。今回辛うじて200冊ぐらいの文献書籍を購入したが、その散逸のスピードでは、今後の台湾における日本文学・文化の影響関係と追跡研究、また台湾における受容と大陸における受容との比較研究にとって空白地帯をつくってしまうことにもなりかねない。その調査研究は今後の課題にしたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)