Project/Area Number |
12874023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 卓 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (50199733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 不二洋 京都大学, 名誉教授 (20027361)
綿谷 安男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00175077)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 量子スピン系 / リュエル作用素 / 非可変中心極限定理 / 関数解析 / 数理物理 / 中心極限定理 / 相関関数 / 指数的減衰 |
Research Abstract |
リュエル・ペロン・フロベニウス作用素(以下リュエル作用素と呼ぶ)の手法を1次元的シフトを持つAF代数へ拡張すること、及び非可換中心極限定理への応用を研究した。 古典スピン系では、指数的減少する相互作用を持つ1次元系のギッブス測度を不変状態とするリュエル作用素のスペクトルの研究が、ギッブス測度の統計的性質を導くことはよく知られている。量子系では対応する結果(例えば中心極限定理)いまだ十分に得られていないので、研究を試みた。この研究であきらかになったのは、以下のことである。 (1)長距離相互作用を持つ系でのAF代数のギッブス状態を不変状態とするリュエル作用素を構成するには、時間発展を与える1係数自己同型群の解析接続可能であることの証明が必要であることが判明した。相互作用がFinite rangeである場合の解析接続可能であることは、かなり以前に荒木不二洋が証明しているが、長距離相互作用では、指数的減少する場合でも解析接続可能な収束半径が無限大である事は証明されていなかった。今回の研究では指数的減少より早いある減少度をもつ相互作用では複素平面全体への時間発展の解析接続可能性が証明できることが判明した。その結果リュエル作用素の構成、不変状態の意性、リュエル作用素のスペクトルギャップの存在、ギッブス状態の一般の観測量に対する相関関数の一様指数的減衰が証明できた。(2)古典力学、エルゴード理論においてリュエル作用素の応用例として中心極限定理の証明がある。非可換な系で同様の研究の可能性を考察した。量子系において、通常、独立な状態を複数の代数のテンソル積からなる代数の積状態を独立な状態と解釈する。相関関数が、強い混合を持てば、古典力学系同様に中心極限定理が成立すると考えられる。この種の非可換中心極限定理の先行研究は、A. Verbeure(ベルギー・ルーバン大)のグループが10年前から行っているが、非自明な極限定理の証明可能な例が全く知られてなかった。この研究により初めて1次元XY模型などで、非自明な極限定理の成立を証明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)