Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
モット・ハバード転移は電子系の金属・非金属転移において主に研究されてきたが,本研究では理想的な強相関フェルミ粒子系である吸着3Heやボース粒子系の4Heが対象である。これらの量子相転移を吸着圧力から2次元圧縮率を初めて求め,その臨界指数を得る。そして比熱から求めた有効質量(3He)の臨界指数やフォノン音速(4He)と比較して,ユニバーサリテイー等を検証する。 2001年度は,孔径18AのFSM-16に吸着したヘリウム4ガスについて,細孔壁に層形成して吸着して,2層目が1次元ボース流体になることを報告する論文を出版した。更にヘリウム3についても同様の実験を行い,2層目がフェルミ流体になることを明らかにし,論文で報告した。これらの研究では,1層目の吸着が終わり2層目の吸着が始まる量子層転移の様子を,吸着圧力から求めた圧縮率で明瞭に示すことができた。3Heの場合における有効質量の発散を調べるには,現在の80mKよりも更に低温まで比熱を測定する必要があり,現在超低温測定をする努力を行っている。1次元4Heボース流体については,フォノン比熱から求めた音速と吸着圧力の圧縮率から見積もった音速とほぼ一致する結果を得た。これは吸着圧力から圧縮率を求める方法が,定量的な解析にも役立つことを示している。
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