Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究では,均一磁場(回転力)及び磁場勾配(並進力)下における生体高分子濃厚分散系の協同的な構造変化・集団挙動や凝集過程を構造学的手法(放射光X線・中性子線散乱)を用いて磁場と溶質条件をパラメータとした研究を行い,生体高分子分散系のナノスケールの構造形成における磁場の効果について新たな知見を得ることに成功した。 研究は,特殊な周期磁気回路の設計・製作,その磁気回路と放射光x線および中性子線を用いた時分割散乱実験,蛋白質立体構造データーベース(PDB)を利用した蛋白質の反磁性帯磁率異方性の理論計算プログラム(分子内部のサブユニットごとの帯磁率異方性,有効電荷等も同時に計算)の作成などにより展開した。その結果,ほぼ同形の立体構造を有する生体高分子においても,有効電荷に依存した磁場下における構造形成の違いが見られること,また,周期磁場・磁場勾配条件下における回転力及び並進力により生体高分子の周期的な分子配向と濃度揺らぎが起きることをなど見出した(研究発表欄に記載)。 現在,ポストゲノム研究の中心的課題である蛋白質の立体構造と機能の解明にとって,蛋白質の結晶化は重大な課題として残っており,現在は経験則に従って行われているのが現状であり,また,微小重力下(宇宙空間)における結晶化も模索されている。今回得られた知見は,均一磁場及び磁場勾配を利用した地上での蛋白質の結晶化を含めた生体高分子ナノ集積の制御に結び付く可能性を強く示唆する。今後,さらに詳細な研究を展開していく。
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