bowl型分子キャビティを活用した新規な複合反応系の開発
Project/Area Number |
12874075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (70262144)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | bowl型分子 / シリル基 / シラノール / X線結晶構造解析 / 自己縮合 / シロキサン / Lewis酸 / Lewis塩基 / 立体保護 / アルコキシアラン / 脱離反応 |
Research Abstract |
官能基をbowl型分子のキャビティ内に固定すれば、官能基同士の接近が効果的に抑制されるため、通常であれば速やかに反応してしまう試剤を同一系中に存在させた複合反応系を構築できるものと期待される。これまでに用いてきたbowl型置換基はすべて置換部位が炭素であったが、本研究ではこの部位をケイ素とした置換基を開発し、bowl型試剤の汎用性、有用性を高めることを目的として検討を行った。容易に合成でき、かつbowl型キャビティを構築できる骨格として、トリフェニルシリル基のフェニル基を放射状に伸長させた新規なトリス(m-テルフェニル-5'-イル)シリル基を設計した。この骨格をもつクロロシランは、対応するm-テルフェニル-5'-イルリチウムと1/3当量の四塩化ケイ素との反応により調製し、その加水分解によりシラノールを合成した。X線結晶構造解析を行ったところ、このシラノールの分子間での最近接酸素間距離は8Å以上あり、結晶中でも単量体として存在することが明らかとなった。ヒドロキシ基は浅いbowl型キャビティの中心部に位置しており、自己縮合を起こしにくいことが示唆された。実際、このシラノールを酸性および塩基性いずれの条件下においても、シロキサンへの縮合は見られなかった。一方、このシラノールは他の基質に対しては十分に高い反応性を示し、Me3SiClからin situに発生させたシラノールとの反応では非対称シロキサンを速やかに与えた。また、単体硫黄との反応により対応するシランチオールへ変換された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)