一万倍以上のナトリウム中でリチウム選択性を示すポルフィリンの分析化学的新展開
Project/Area Number |
12874095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40039285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 潤 佐賀大学, 機器分析センター, 助教授 (80253582)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ポルフィリン / リチウムイオン / リチウム高分子膜センサー / リチウム / 合成 / 反応機構 / リチウムセンシング膜 |
Research Abstract |
リチウムイオンは海水中や血液中のように多量のナトリウムイオンと共存する。従って、微量のリチウムイオンの検出・分離には、ナトリウムの妨害ない分析法が望まれる。我々は、既にオクタブロモポルフィリンが多量のナトリウムイオン中でリチウムイオンとだけ選択的の反応することを明らかにした。本研究では、その反応機構を明らかにするとともに、更に、フッ素やニトロ基のような電子吸引基の導入し、塩基性が減少したポルフィリンを合成する。そして、多量のナトリウム中でのリチウムイオンの選択的検出・分離法を確立することを目的とした。 次のことが明らかになった。 (1)水溶性オクタブロモポルフィリンとリチウムイオンの反応速度を^7Li NMR法により決定した。予想以上に反応は速く、半減期は数秒であった。 (2)リチウムイオンは脱プロトン化したポルフィリンと反応する。 (3)オクタブロモポルフィリンをセルロース高分子膜に固定し、リチウム検出高分子膜センサーを作成した。 高分子膜中のオクタブロモポルフィリンは、選択的にリチウムイオンと反応した。応答時間は膜の可塑剤の組成に依存した。更には、高分子膜中のオクタブロモポルフィリンとリチウムイオンとの結合定数を求めた。 (4)ピロールの窒素に結合しているプロトン以外は全部フツ素化した2,3,7,8,12,13,17,18-オクタフルオロテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポルフィリンを合成した。化合物は予想通り、オクタブロモポルフィリンよりも、塩基性が減少し、中性付近でリチウムイオンと反応した。更には、リチウムイオンはフルオロポルフィリンを含む1,2ジクロロエタン相に定量的に抽出された。 以上のようにして、電子吸引性の導入したポルフィリンは低い塩基性を示し、リチュウムイオンを中性領域で、多量のナトリウム中で選択的に反応することが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)