Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,多次元空間にランダムに配置された観測点でのデータから,観測点以外の点での値を補間するための,従来のものより連続性の高い手法を開発することであった.この目的のもとで,最終年度である本年度は次のような研究実績を得ることができた. 昨年度は2次元に配置された観測点での高さのデータから地形を補間によって求めるG1連続曲面の新しい補間法を構成したが,本年度は,それを3次元空間に配置されたデータ点を通過する曲面補間法へ拡張した.これは,地形にたとえるとオーバーハングを許す補間とみなすことができ,また多価関数の補間ということもできる.このように多価関数とみなす補間の拡張は,直接には難しいため,本研究では,3次元空間に埋め込まれた2次元曲面を円板と同相ないくつかのパッチに分解し,それぞれのパッチを2変数関数とみなすというパラメータ化によって,昨年度の方法に近い定式化を行った.このパラメータ化によっても問題は格段に難しく,昨年度のようなベジエ曲面の貼り合わせでは計算が著しく不安定となることがわかった.そこでパッチに張る曲面を,ベジエパッチより自由度の高いグレゴリーパッチに切り替え,追加された自由度を利用して計算の安定化をはかった.その結果,球と同相な曲面,トーラスと同相な曲面などに関してはなめらかな補間が可能であることを確認できた. しかし,今のところ,数学的にはG1連続が保証されるという意味でなめらかではあるが,大域的に見ると不必要なうねりがまだ残されており,これを克服することが次の課題として残されている.基本的には,曲率の2乗和の曲面全体での積分を最小化するという方針で目的が達成されると考えているが,この積分は厳密に計算することが難しいため,何らかの近似が必要となる.現在の方法では,局所的に曲面の法線を推定し,それに平行な方向へ射影することによって昨年度の方法に帰着させている.これの近似精度が十分ではないため,より精度の高い近似を今後追求していきたい.
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