界面単一分子分析:界面上で高速に動き回る分子をひとつずつ数えて分析する
Project/Area Number |
12875161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 明 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (90222231)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 単一分子検出 / レーザー蛍光 / 共焦点顕微鏡 / 光子計数顕微鏡 / 水面 / 油水界面 / 蛍光色素 / 少数分子系の化学 |
Research Abstract |
液面上や液面の近くで、個々の分子は液面内の運動や溶解・吸着を繰り返している。本研究は、「希薄な溶液の表面において高速で動き回る溶質分子の1つ1つを数える」というこれまでに成功例の報告が全くないアプローチにより界面にある分子の動的な挙動を観測することで、界面の関わる化学現象の理解を新規な観点から開拓することを試みた。液面で高速に動き回る分子を一つずつ数える手法の確立、および、界面における少数分子系の化学の理解に向けた研究への着手を目的とした。2年計画の最終年度である本年度は、共焦点レーザー蛍光光子計数顕微鏡システムに検出感度向上のための改良を加えつつ、バルク溶液の液性(イオン強度と酸度)を変化させての実験を系統的に行った。界面張力測定や他の界面選択的分子検出法である表面光イオン化法、表面第二高調波発生法、共焦点レーザー蛍光スペクトル測定法も併用して同一の試料系について多方面から検討して比較することを試み、以下の結果および成果を得た。なお研究成果は2回の国際会議と3回の国内会議にて公表した。 (1)試料とした水溶性色素分子であるローダミン6Gでは希薄溶液の表面でも分子が会合体を形成することが一般的であることを見いだした。また、この試料系でも共焦点レーザー顕微鏡により表面選択的に蛍光スペクトルが観測できることを明らかにした。 (2)バルク溶液のイオン強度や酸度は会合数や蛍光量子収率に影響を与える。影響の受け方は、バルク溶液中にある同一種類の分子とは異なる。特に、中性の酸度では表面ならではの化学種形態が存在する可能性が強く示唆された。 (3)水面への吸着飽和が起きていない1μM以下の濃度においても、表面での分子配向や会合状態は、バルク溶液の濃度と伴に変化していることを明かにし、実験的に、希薄溶液表面の分子状態をより詳細に検討する必要があることを示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)