希土類元素添加高輝度誘電体発光ゲルの室温合成と発光機構の解明
Project/Area Number |
12875168
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40039136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 薫一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60182010)
松田 弘文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00282690)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2001
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | ゲル発光体 / チタン酸バリウム薄膜 / 希土類元素 / 高濃度ゾルーゲル / 透明ゲル / ナノ結晶 / YAGレーザー / 電界発光 / フォトニック結晶 / ゾル-キャスティング法 / 金属アルコキシド / マイクロモールド / 可視・赤外反射 / 高屈折率透明ゲル / 低温合成 / チューナブル |
Research Abstract |
申請者らは、独自に開発した高濃度ゾルーゲル法により作製したEu元素添加チタン酸バリウムゲルが強い発光を示すことを見出した。作製された0.1〜1.Oat.%Eu添加チタン酸バリウムゲルは、昨年度までの研究において、波長466nm(^7F_0-^5D_2遷移に対応)の励起光に対して、波長613nm(^5D_0-^7F_2遷移に対応)の強い発光を示すことを見出し、1.0at.%の添加濃度においても顕著な濃度消光を起こしていないことを確認した。また、パルスレーザー励起によるEu^<3+>イオンの^5D_0-^7F_2発光の減衰曲線から、Eu添加乾燥ゲルの蛍光寿命の測定を10-300Kの温度範囲で求め、発光は約0.6msの寿命をもつ単一輻射遷移機構によることを明らかにした。そこで、今年度はこの発光ゲルの薄膜発光体(蛍光及び電界発光薄膜デバイス)としての応用を目指した研究を行い、以下に示す成果を得た。 1)1%Euを添加したものと無添加のBa, Tiアルコキシド溶液(溶媒;メタノール/メトキシエタノール混合溶媒、濃度;1.0mol/L)前駆体溶液を用い、Si、Pt、Cu、ITO、ガラスなど種々の基板上にスピンコート法により製膜した。形成した室温乾燥薄膜は非晶質であるが、50℃水蒸気雰囲気中で1h程度エージング(基板上エージング法)すると結晶性のBaTiO_3薄膜が得られる。この方法によるBaTiO_3結晶薄膜の合成は、ガラス基板上では成功していたがPt、Cu、ITOなどの導電性基板上では亀裂のない薄膜を得ることはできていなかった。今回、0.7〜1wt.%のPVB(ポリビニルブチラール)を添加することにより、いずれの基板上でも平滑な表面をもつ亀裂のないBaTiO_3結晶薄膜を合成することに成功した。 2)蛍光分光装置を用い、得られたEu添加BaTiO_3結晶性薄膜の発光特性を調べた。その結果、波長270nmの励起光に対して波長613nmにおいて顕著な発光スペクトルを観測した。この発光スペクトルの強度は薄膜のエージング条件によって変化することがわかり、エージング条件によってBaTiO_3薄膜中におけるEuの存在状態が変化することを確認した。この結果に基づいて、現在、最大発光強度を与える薄膜合成条件の決定と、XRD, FE-SEM及びTEMによる薄膜のキャラクタリゼーションを行っている。 3)Eu無添加のBaTiO_3結晶性薄膜(90℃乾燥)は、100kHz〜1MHzの周波数範囲で100を越える誘電率と2%以下のtanδを示し、ZnS(Mn)蛍光体用透明絶縁膜としての機能を有することを見出した。現在、新しいタイプの電界発光薄膜の開発研究を進めている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)