アンジオテンシンIIと粥状動脈硬化形成の関係を探索する遺伝子操作動物モデルの開発
Project/Area Number |
12877115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松原 弘明 関西医科大学, 医学部, 助教授 (10239072)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アンジオテンシンII / 動脈硬化 / ブラジキニン / アンジオテンシン受容体 / AT1受容体 / AT2受容体 |
Research Abstract |
アンジオテンシンII(AngII)の動脈硬化への関与はこれまで多くの報告がある。すなわち、ウサギ動脈硬化初期モデルでACE阻害薬によりMCP-1発現・マクロファージ浸潤が抑制される。ApoE欠損マウスにAngII投与すると著明に動脈硬化が促進する。SMCへのAngII投与により活性酸素依存性にMCP-1が発現する。ウサギ動脈硬化血管ではAT1発現増加、NADH依存性スーパーオキシド上昇や内皮依存性血管拡張の障害などが報告され、しかもこれらの変化はAT1拮抗薬で阻害されることより、AngIIによって生じた酸化ストレスが動脈硬化の促進に重要な役割を示すことが示唆されてきた。 アンジオテンシンII(AngII)1型(AT1)、2型(AT2)受容体の心血管系作用を解明するために心筋細胞や血管平滑筋細胞(SMC)特異的過剰発現する心筋AT2-Tg・血管AT2-Tgを開発し、AT2は心筋細胞やSMCからブラジキニンを分泌させNO依存性に臓器保護作用を発揮することを報告してきた。アテローム硬化病変の発症には内皮障害によるNO産生低下が重要な因子である。動脈硬化病変の形成におよぼすAngII作用を明らかにするために、ApoE欠損マウスと血管AT2-Tgの交配により動脈硬化病変内でのSMCにAT2をヘテロで過剰発現するマウスを開発した。ApoE欠損マウスにAngIIを慢性投与すると劇的に動脈硬化病変は増悪した。一方、血管AT2発現が増加すると、動脈硬化病変の形成は大動脈基部で約37%抑制されていた。これはAT2拮抗薬、NO抑制薬、ブラジキニン拮抗薬で阻止された。このように血管AT2の刺激は内皮機能改善・動脈硬化退縮作用を持つことが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)