Project/Area Number |
12877172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 渉 神戸大学, 医学部, 助手 (40294219)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / 脂肪細胞 / 分化 / 肥満 |
Research Abstract |
肥満は脂肪組織の増大した状態である。肥満においては個々の脂肪細胞が肥大するとともに、脂肪細胞数の増加を伴うことから、脂肪細胞増殖の分子メカニズムを解明することは、肥満の分子病態の理解や肥満のより適切な治療法に寄与する可能性がある。 本研究では脂肪細胞増殖の分子メカニズムの解明のため、脂肪細胞増殖期に特異的に発現する遺伝子群の解析を行い、DNAマイクロアレイを用いた検討により、脂肪細胞増殖期に一過性に発現する遺伝子薬50個を同定した。また、FGFファミリーに属する自己分泌性因子であるFGF10が、脂肪細胞増殖期に一過性に発現することに着目し、その機能解析も行った。優位抑制型FGF受容体や可溶性FGF受容体を用いて、脂肪細胞分化過程におけるFGF10のシグナルを遮断すると、脂肪細胞の増殖はほぼ完全に抑制された。また、FGF10のシグナルの遮断により、分化の初期段階に必須の転写調節因子であるC/EBPβの発現が著明に抑制され、それに伴い終末分化も抑制された。また、脂肪細胞分化過程におけるFGF10のシグナル伝達には、p70S6-キナーゼを介した経路が重要であることも見出した。すなわち、FGF10は脂肪細胞の分化過程で一過性に分泌され、自己分泌機構を介して脂肪細胞の増殖と分化の両者に重要な機能を果たすことが明らかとなった。FGFファミリーに属する遺伝子が脂肪細胞分化において機能すること、また、脂肪細胞分化過程で自己分泌性因子の作用が必須であることは全く新規な知見である。今回の研究結果は脂肪細胞の分化増殖機構への理解に大きく寄与するものと考えられる。
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