脊柱靭帯骨化における骨分化遺伝子発現に関する研究-染色体蛋白のアセチル化による骨分化遺伝子の誘導について-
Project/Area Number |
12877231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
松崎 交作 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80165802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
簗瀬 能三 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80305755)
大浦 晴夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20295819)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒストン蛋白脱アセチル化酵素阻害剤 / オステオポンチン / trichostatinA / アセチル化 / 骨分化 |
Research Abstract |
未分化間葉系細胞(C3H10T1/2細胞)にヒストン蛋白脱アセチル化酵素阻害剤であるtrichostatinA(TSA)を添加し染色体遺伝子を構成しているヒストン蛋白をアセチル化という修飾を加えることで石灰化組織や骨基質に存在するオステオポンチン蛋白が発現してくることを明らかとした。ノーザンブロッティング法を用いたmRNAの解析では、発現は添加後3時間と早期より認め72時間まで持続した。オステオポンチンのプロモーター領域を用いたルシフェラーゼ法でも発現の上昇を認め、deletion mutantを用いた解析およびゲルシフト法によりこの蛋白の発現には転写因子であるc-fosが関与していることを同定した。このc-fosのトランスジェニックマウスは骨の過形成を生じ、またc-fosのノックアウトマウスは骨の形成不全を生じると報告されている。これらの結果をあわせて考えると、c-fosが骨化の過程において転写レベルで重要な働きをしていると考えることができる。しかしSatoらは骨芽細胞様細胞を用いた実験により転写因子であるCbfa1がオステオポンチンの発現を上昇させていると報告している(Oncogene,1998)。この点において我々の結果とは異なるが、我々の用いた細胞は未分化間葉系細胞であり骨に分化する前段階の状態にあると考えると、骨に分化していく初期段階にはc-fosが作用し、後の段階になりCbfa1が作用してくるという時間的な差が存在している可能性を考えている。すなわちオステオポンチンの発現においてはまずc-fosが作用した後Cbfa1がその発現を維持しているのではないかと考えている。我々は転写因子レベルからの解析によりc-fosの重要性を明らかとした。今後の研究方針としては内軟骨骨化を示す組織モデル(マウス骨折モデル、骨端部組織)よりオステオポンチン、c-fos、cbfa1の遺伝子の時間的発現について、またその局在について解析をおこ上ない、これら遺伝子の相互作用機序を解明する必要があると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)