コンホメーション規制による新規アシルラジカル生成法の関発と機能開拓
Project/Area Number |
12877349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宍戸 宏造 徳島大学, 薬学部, 教授 (20006349)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アシルラジカル / シグマラジカル / フラグメンテーション / コンホメーション制御 / シクロヘキサノン / シクロペンタノン / スピロ化合物 |
Research Abstract |
アシルラジカルは、有機合成化学上、重要な反応活性種である。それは、このラジカル種がシグマラジカルとして比較的穏和な反応性を有し、選択的な新反応の開発に応用展開できる可能性を秘めているからでる。現在まで、その生成法は種々知られているが、生理活性天然物や医薬品などの複雑な構造を持つ化合物の合成に適用する場合、適用範囲が限定されるという欠点を持つものが多い。今回、著者は、適用範囲の広い新しいアシルラジカルの生成法の開発をめざして検討を行い、以下に示すような成果を得た。 椅子型配座に固定された3種のシクロヘキサノン誘導体の、カルボニル基のα-位(エクァトリアル位)にヒドロキシメチル基を導入し、チオカーボネート等のラジカル前駆体へと変換後、ラジカルを生成反応に付すと、シクロヘプタノン誘導体が高収率且つ高立体選択的に得られた。これは、はじめにラジカルフラグメンテーションが起こり、炭素-炭素結合の開裂を経てアシルラジカルが生成し、これが直ちに、同時に生成したアルケンに[7-endo]モードで付加した結果であると考えることができ、シクロヘキサノンのコンホメーション制御下における立体電子効果に支配されたアシルラジカル生成法を開発することができた。また、たいへん興味深いことに、この反応で、マイナー生成物ながら5,6-スピロ化合物が得られた。これは、アシルラジカルの[6-exo]環化を経て生成した1級ラジカルのフラグメンテーションにより生成したものであると考えられる。この反応プロセスはこれまでに全く例のない新規なものであり、今後理論化学計算を用いてその反応機構の解明を行うとともに、合成反応としての一般化を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)