マラリア原虫の寄生性を支える分子的基盤に関する研究
Project/Area Number |
12877361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森山 芳則 岡山大学, 薬学部, 教授 (10150658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 正人 岡山大学, 薬学部, 助手 (30243489)
坪井 誠二 岡山大学, 薬学部, 助教授 (50172052)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マラリア原虫 / V-ATPase / NSF / 抗マラリア薬 / brefeld in A / 小胞輸送 / 食胞 / 寄生生物 |
Research Abstract |
マラリア原虫の液胞型ATPaseを含むオルガネラの生物学研究は非常におくれており、新しい抗マラリア薬の開発のために大きな障碍になっている。V-ATPaseとオルガネラタンパクがマラリア原虫の生理と薬剤に対する抵抗性に重要であることが明らかとなりつつある。さらに、寄生胞膜というものが寄生性を形成・維持するために重要であることがわかりつつある。そこで、本研究においては、寄生胞膜を含むこれらの膜系の構造と機能ならびに生合成経路の解明を試みた。以下の成果を得た。1.免疫電子顕微鏡法により原虫におけるV-ATPaseの局在性を解明した。V-ATPaseは食胞以外に多数の小胞と原形質膜に存在した。さらに、2.原形質膜のV-ATPaseがプロトンを原虫の外に排出し、赤血球内を酸性化していることを見いだした。V-ATPaseが形成する酸性環境は薬剤排出・栄養物の取り込み機構に重要だと思われる。また、3.寄生胞膜の発達に重要だと思われる小胞輸送関連タンパクであるN-ethylmaleimide-sensitive factor(NSF)が原虫内で発現していることを見いだした。4.重要なことは、NSFの一部はbrefeldin A感受性に原虫外へ輸送されること。輸送されたNSFが血球内に存在するノブ蛋白の輸送小胞に局在することであった。マラリア原虫の寄生性と病原性を支えるノブ構造の形成に小胞輸送系が関与することを世界に先駆け証明することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)