脂肪細胞の分化形質転換に関与する遺伝子の単離と機能解析
Project/Area Number |
12878168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (40273502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脂肪細胞 / 骨芽細胞 / 分化形質転換 / 脱分化 |
Research Abstract |
脂肪細胞の分化制御機構を理解するために、臨床材料及びマウス細胞を用いて以下の実験を行った。 1.脱分化型脂肪肉腫の遺伝子解析 脂肪細胞由来の悪性腫瘍である高分化型脂肪肉腫から脱分化を遂げて脂肪肉腫とは組織学的に全く異なる高悪性度肉腫細胞へ変化した症例における遺伝子変異を解析した。対象となった症例は3例であり、いずれも組織学的に分化した脂肪組織に類似した高分化型脂肪肉腫の部分と、高悪性度の紡錘形細胞肉腫で組織学的には悪性線維性組織球腫と考えられる部分が存在しており、それぞれよりDNA及びRNAを抽出した。まずMDM2遺伝子の増幅及び発現を解析した。高分化型の部分では、いずれの症例でも10倍以下の増幅が認められ、RNAレベルでの発現も認められた。対象として解析した良性の脂肪腫では、表層に発生したサイズも小型のものでは増幅は認められなかったが、深部に発生した大きな腫瘍では、組織学的には良性であっても高分化型脂肪肉腫同様に10倍以下の増幅が認められた。一方、悪性線維性組織球腫の部分では20倍から40倍の増幅が検出され発現レベルでも著しく亢進しており、MDM2遺伝子増幅の悪性変化への関連性が伺われた。 2.p53ノックアウトマウスからの脂肪細胞の単離 脂肪細胞と骨芽細胞との間の関連性を理解する材料として新生p53ノックアウトマウスの骨髄より間質細胞を単離培養し、リングクローニングにより多数のクローンを得た。それぞれのクローンにdexamethasonを添加し、培養を行い脂肪滴形成などの脂肪細胞への分化を示すクローンを3種類単離した。これらの細胞をdexamethason無添加の状態で長期間培養するvon Kossa染色陽性の結節を形成した。すなわち骨芽細胞へ分化することがプログラムされた細胞が培養条件の操作により脂肪細胞へと分化できることが明らかになった。このような形質は継代を経ても維持されており、分化誘導前後での遺伝子発現変異を解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)