哺乳類におけるD-アミノ酸の生理機能に関する総合的研究
Project/Area Number |
12897002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 清 徳島大学, 医学部, 教授 (00175564)
香川 靖雄 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (30048962)
今井 一洋 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50012620)
森山 芳則 岡山大学, 薬学部, 教授 (10150658)
味園 春雄 高知大学, 農学部, 教授 (30027073)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | D-アミノ酸 / D-セリン / D-アスパラギン酸 / D-アミノ酸オキシダーゼ / 神経伝達 / グリア細胞 / 下垂体 |
Research Abstract |
本年度は、特に哺乳動物におけるD-セリンとD-アスパラギン酸の生理的意義に関する研究に進展が見られた。D-セリンは脳内に存在する神経伝達物質であり,L-グルタミン酸受容体のサブタイプを活性化する。西川は、仔ラットの大脳新皮質において、RNA arbitrarily primed PCR法を用い、発現量がD-セリンの腹腔内投与によって増加するがL-セリンには有意な影響を受けない新規転写産物dsr-1をクローニングした。塩基配列の一部がプロトンATPaseサブユニットM9.2と相同性をもつことから、D-セリンの代謝やシグナル伝達系への関与が示唆された。一方、D-アミノ酸オキシダーゼは,このD-セリンを分解し神経伝達を調節している可能性がある.堀池は、ラット脳においてD-アミノ酸オキシダーゼ活性が小脳に存在し、大脳では見いだされないことを示した。福井はラット脳よりグリア細胞の初代培養系を確立し、本酵素の遺伝子発現をグリア細胞の培養系で明らかとした。D-アスパラギン酸(D-Asp)については、今井が下垂体内でD-Aspが生合成されることを明らかにし、本間は、ラット下垂体由来の培養細胞株GH3が、D-Aspを生合成すること、D-Aspは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)刺激によるプロラクチンの産生・分泌を促進することを示した。森山は、松果体細胞におけるD-AspのトランスポーターのcDNAのクローン化を行うとともに、D-Aspによるメラトニンの合成阻害機構を明らかにした。またD-Aspの生合成機構を明らかにするため、阿部、山田らにより動物由来のアスパラギン酸ラセマーゼの研究が行われた。この他、上田、岩坪、金子らによりペプチド内でのD-アミノ酸残基の生成とアルツハイマー病との関係についての研究がなされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)