Project/Area Number |
12F02005
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保谷 徹 東京大学, 史料編纂所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彭 浩 東京大学, 史料編纂所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 档案 / 額商 / 官商 / 総商 / 「条約」貿易 / 憑文 / 両局 / 通商関係 / 奏摺 / 題本 / 通商 / 信牌 / 銅 |
Research Abstract |
(1)史料収集とデータベースの充実。2013年度は、史料編纂所所蔵の長崎貿易関係史料を系統的に整理する一方、北京の第一歴史档案館(一史館と略す)及び長崎歴史文化博物館などで史料調査を実施した。前年度に作り始めた「清朝日本銅調達に関する档案史料」のデータベースをさらに充実した。 (2)「官商」成立の再検討。研究計画書で書いた通り、18世紀中期において長崎貿易に参加する中国商人のなか、組織化の傾向が現れ、「官商」が率いる商人集団(官局)と、「額商」を中心とした商人集団(公局)が相次いで成立した。「額商」については、昨年3月『東方学』125号に掲載された彭浩論文で再検討を行った。その後、「官商」成立についても再考し、清朝対外貿易統制の一環という通説を批判して、「官商」范氏が主体的に長崎貿易に参加した経緯を明らかにした。この研究を文章化し、「額商」に関する論考とともに、彭浩が計画する出版のモノグラフに組み入れたいと考えている。 (3)17世紀唐船商人の経営形態に関する研究。一史館での史料調査で清朝海禁期の渡日貿易商船の史料を発見し、彭浩はこれを『華夷変態』(唐船風説書)・『唐通事会所日録』(唐通事の職務日記)の史料と合わせて、「官商」「額商」成立前の唐船商人の経営形態に関する論文を作成している。この論文は木村直樹・牧原成征編『十七世紀日本の秩序形成(仮題)』(吉川弘文館、2014年12月出版予定)に掲載される予定である。 (4)「約条」貿易に関する研究。上述した研究の延長線上、18世紀中期唐船商人の組織化による長崎貿易仕法への影響という問題意識を持ち、長崎の史料調査で「憑文」などの史料を発見し、唐船商人集団と長崎会所との間の「約条」に基づく貿易の成立と展開の過程を明らかにした。それに基づき、史料編纂所で研究報告を行った。今後さらに修正し、出版計画のモノグラフに組み入れる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)史料収集及びデータベース作成の作業は予定通り行った。(2)その傍らに、清朝海禁期中国大陸の渡日商船などに関する史料も発見した。(3)档案史料に基づく商人関係の研究を順調に進めている。「官商」「額商」成立の再検討を中心に、18世紀中期唐船商人の組織化の全体像に迫った。(4)研究の進展に伴い, 新しい問題意識を持つようになり、18世紀中期に成立した商人集団(官局・公局)と長崎会所との間の「約条」に基づく貿易形態=「約条」貿易を明らかにすることができた。これにより長年停滞している長崎貿易制度史に関する研究を大きく進展させることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)