Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Research Abstract |
特別研究員はSteffen Koenigとの共同研究で,導来圏で重要な準傾対象(silting object),余t構造,t構造,simple-minded collectionの4種類の対象の間の一対一対応を与え,Thomas Bruestleとの共同研究でこれをクラスター理論に応用した.以上の研究成果に関して特別研究員は,ビーレフェルト大学で開かれた多元環の表現論国際集会において全体講演を行い,またビーレフェルト大学とハノーバー大学のセミナーで講演した. さらに特別研究員は,準傾対象と準傾退化(silting reduction)に関する以下の3つの研究を行った.一つ目は,受け入れ研究者とMartin Kalck,Michael Wemyssとの共同研究であり,相対特異導来圏に関するものである.これはBuchweitz,Orlovの特異導来圏の相対概念であり,特別な場合には準傾退化の一種と解釈できる.特別研究員は,非可換特異点解消を持つフロベニウス圏が,ある環上のGorenstein射影加群の圏と同値であることを示した.さらに2次元有理特異点に対して,相対特異導来圏を応用して,特殊Cohen-Macaulay加群から生じる三角圏が,部分特異点解消の特異導来圏と同値となることを示した.この結果から直既約Gorenstein射影加群を有限個しか持たない岩永Gorenstein環の非加算族が得られた.二つ目は,Qunhua LiuとJorge Vitoriaとの共同研究であり,recollementと準傾対象(あるいはより強く傾対象)に関するものである.特別研究員は,三角圏Tがrecollement(X,Y)を持つ場合に,XとYのそれぞれの準傾対象からTの準傾対象が自然に構成されることを示した. 三つ目は,受け入れ研究者とPeter Jorgensenとの共同研究であり,2項(two-term)準傾対象と台τ傾加群(support τ-tilting module)に関するものである.特別研究員は,受け入れ研究者とAdachi,Reitenによる結果を一般化することにより,準傾対象Sを持つ三角圏Tに対して,Tの2項準傾対象の全体と,Sの自己準同型環の台τ傾加群の全体の間の一対一対応を構成した.
|