日韓の市民社会ネットワーク構築を通した地域共同体の可能性の模索
Project/Area Number |
12F02721
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
International relations
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木宮 正史 東京大学, 大学院情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JI YOUNG Kim 東京大学, 大学院情報学環, 外国人特別研究員
KIM JiYoung 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2012: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日韓関係 / 日中韓関係 / 歴史問題 / 領土問題 / アイデンティティの葛藤 / 東アジアの安保共同体 / 従軍慰安婦問題 / 市民社会のネットワーク / 日韓教科書問題 / 日韓領土問題 |
Research Abstract |
申請者は2013年5月31日より外国人特別研究員として日韓の市民社会ネットワーク構築を通した地域共同体の可能性の模索というテーマで研究を進めてきた。日本及び韓国の(特に歴史問題に関わる)市民社会ネットワークについての既存研究においては通時的な描写や一次元的・国家中心的な分析に焦点を合わせていたところ、本研究においてはこれらの既存研究におけるギャップを認識しつつ国家間の関係における市民社会及び世論の役割を分析する理論的な枠組みを提示することを目標とした。上記のような目的をふまえ、申請者は外国人特別研究員の任期にわたり下記のような研究活動を実施したところである。 申請者は国際学術雑誌に2件の論文を公刊したとともに、学会の大会及び国際シンポジウムにおいて3件のペーパーの提出・発表を実施した。最初の論文は日韓歴史問題の原因と過程を国際政治理論的観点で分析したもので、日韓関係を説明するにあたって「象徴政治」理論の適切性と予測性を証明する研究である。日韓間の歴史問題は韓国の大衆と日本の政治エリート間の歴史事実解釈の衝突がその原因になっており、このような衝突は韓国と日本の政界、市民社会、そして利益集団が持っているそれぞれ異なるアイデンティティの衝突だと見ることができる。本論文は日韓歴史問題のメカニズムを明らかにすることによってこのような紛争の解決方法を提示したということにその意味があるといえる。 二番目の論文は、日中韓の歴史問題が東アジア安保共同体形成に及ぼす影響に対して分析した論文である。本論文は東アジア安保共同体の形成と発展を阻害してきた最も根本的な理由として韓中日間の歴史および領土問題の持続および深化を挙げている。本研究は、日中韓の安保関係を分析するということにあって既存の国際政治学理論の限界点を提示すると同時に、日中韓安保協力関係が現在まで歴史および領土紛争によっていかなる影響を受けてきたかを実証的に分析したことにその意味がある。上に記述した二つの研究はすべて当初交付申請書に記載した大きなテーマと密接な関連があるテーマであり、日韓歴史問題関連研究において国際政治理論的接近と実証的分析を試みたことにその共通の意義を見出すことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)