侵出性ホヤの進化を明らかにするための遺伝子型と表現型の研究
Project/Area Number |
12F02722
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齊藤 康典 筑波大学, 生命環境系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SMITH Kirsty F. 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
SMITH KirstyF. 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 侵出性ホヤ / Didemnum vexilltmi / 分化 / 遺伝子型 / 表現型 / ミトコンドリアDNA / 進化 / Didemnum vexillum / 分布 |
Research Abstract |
D. vexillum群体のAグループとBグループのミトコンドリア遺伝子の比較研究では、AグループとBグループのミトコンドリアゲノムの全ての塩基配列が得られた。AグループとBグループのゲノム塩基数は13,424と13,432であった。これらのゲノムは他の大部分のホヤのゲノムより短かった。2グループ間では遺伝子の配列順序は同じであったが、他のホヤのミトコンドリアゲノムと比べると大規模な遺伝子の再配列が認められた。グループ間では、酸化的リン酸化に関与する酵素をコードする塩基配列に違いが予見された。多様性のレベルは比較的高く、ゲノムに含まれる遺伝子のほとんどに相違が認められた。これらの相違からこの二つのグループは43万年から123万年前に分岐したと計算され、グループの分岐は大規模気候変動に伴い、レフユジアに広がった集団間の遺伝子の交流が制限されたことに因ると思われる。現在2グループは温度依存的に分布しているが、いくつかの地域では両グループの同所性が認められた。世界中に分布を広げているAグループに対して、日本に生息するBグループの限られた分布から、このグループには温度許容性の範囲が狭いことが認められる。これは代謝に関与するミトコンドリアゲノムの2グループ間の相違に起因する可能性があり、生態学的な相違に現れていると考えられる。この研究成果は、論文としてほぼまとめ終わり投稿の準備をしている。 温度適応性については、ミトコンドリアの呼吸に関する機能の測定のために、2グループのミトコンドリアの温度ストレスに対する酵素活性を調査し、また、温度による群体の成長の違いも調査した。Aグループは低い温度(15℃)で高い成長率を示したが、Bグループは高い温度(23℃)で高い成長率を示した。温度による相違は酸化的リン酸化経路の酵素活性にも認められ、complex IIIとcomplex IVの活性はAグループでは高温で高く、Bグループでは低い温度で高かった。クエン酸合成やETSAの活性は二つのグループ間と温度差において相違が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)